首相の人柄がわかるインタビューですね。

インタビューの様子がなんとなくイメージできます!


安倍首相、独占インタビュー「強い日本を復活」 給与、中韓、長嶋氏…全てを語る

2013.05.07 夕刊フジ

 安倍晋三首相が、夕刊フジの独占インタビューに応じた。政権奪還を果たして4カ月半、「金融政策」と「財政政策」「成長戦略」を組み合わせたアベノミクスは好感され、株価は1万3000円台を回復し、円も一時1ドル=99円台になった。このまま、日本経済は復活し、日本人は自信と誇りを取り戻せるのか。快進撃を続ける安倍首相が、サラリーマンが気になる給与やボーナスの行方、中国や韓国との付き合い方、元巨人監督の長嶋茂雄氏への思い、プライベートまで一気に語った。 

 ──アベノミクスで日本経済は息を吹き返し、日本全体が明るくなってきた。内閣支持率も70%超と好調だ

 「就任当時、日本経済は長引くデフレで低迷していた。国民は自信を失い、他国が領土・領海への挑発を続けていた。日米同盟の信頼の絆も失われつつあった。私は『日本が危ない』『国難に立ち向かう』と危機突破内閣を立ち上げ、デフレ脱却をはじめ、外交、教育などの再生に、内閣一丸となって取り組んできた。全速力で走ってきた印象だ」

 ──景気指標も上向いている

 「タクシーの運転手さんやコンビニの店長さんなどに協力してもらう内閣府の景気ウォッチャー調査では、今後3カ月の見通しは今世紀最高の水準になる見通しだ。次元の違う経済政策(三本の矢)の第1の矢、『大胆な金融緩和』の効果が確実に出てきている」

 ──サラリーマンは給与やボーナスのアップを熱望している

 「第2の矢は『機動的な財政出動』で、約13兆円の2012年度補正予算による事業が5月以降スタートする。本来、成果が出るには時間がかかるが、企業収益が改善しつつあるため、私は経済団体幹部の方々に『従業員の所得を増やしてほしい』と要請した。早ければ夏以降、遅くとも年末のボーナスのころには実感してもらえるのではないか」

 ──兜町では、甘利明経済再生担当相が景気浮揚の最初の目標とした「日経平均1万3000円」に関わる替え歌まで流行っている

 「新聞では読んだが、なかなか笑えるね。今度、甘利さんとデュエットしてみようかな(笑)」

──景気回復は東日本大震災の被災地復興にもプラスだ

 「復興を進めるには被災者の方々が仕事を持たなければならない。被災地で企業が事業を展開・拡大しなければならない。その基盤となるのは強い経済力。日本経済を立て直し、被災地復興を加速させる」

 ──第3の矢である「成長戦略」のイメージは

 「これが最も重要だ。私は日本を『元気で長生きできる社会』にしたいと考えている。ノーベル賞受賞者である京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞でも分かるように、日本には優れた医療・介護技術がある。ところが、これに行政や法律の仕組みが追いついていなかった。医療機材も世界に冠たるものだが、認証に時間がかかりすぎた。これらの分野で大胆に規制緩和を進める。日本に広めて、世界中に売り込んでいく。メタンハイドレートなどの次世代エネルギーにも注目している。まだまだ、日本にはフロンティアがある。日本人には挑戦する能力も情熱もある」

 ──民主党政権時代に比べて、日米関係は劇的に改善した

 「米国から見ると、昨年末までの日本は『何も決められない』『何も進まない』とうんざりしていたはずだ。同盟関係はお互いが努力して、進めて、築き上げていくべきもの。だから、私はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加と、米軍普天間飛行場の移設問題を前進させた。米国も米軍嘉手納基地以南の施設・区域返還計画で時期を明示した。これらは、沖縄の基地負担軽減にもつながる。日米同盟の絆は復活した」

 ──一方、韓国や中国との関係は難しい

 「韓国は、最も大切な隣国だ。日韓両国は、自由と民主主義、そして資本主義経済という普遍的価値を共有している。日中関係も最も重要な2国間関係の1つである。お互いが切っても切れない関係を認識し、戦略的互恵関係を築くべきだ。わが国には守るべき国益がある。領土・領海など絶対に譲れない原則もある。それを踏まえて、両国との対話のドアは開けておきたい」

──そういえば、安倍首相がオバマ米大統領にプレゼントした特製パターが注文殺到らしい

 「山形市の『山田パター工房』の特製パターだね。オバマ大統領がゴルフ好きと聞いて用意した。大統領は手に持って『これはいい』と喜び、バイデン副大統領は『それは、プロ世界最少スコア(55)をマークしたパターだね?』とよく知っていた。手作りだから完成まで時間がかかる。実は、私も注文して先日やっと届いた。近く、グリーンで試してみるよ」

 ──今年のGWは、巨人終身名誉監督の長嶋茂雄氏と、米大リーグ・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏への国民栄誉賞受賞が話題だ。もともと、長嶋ファンだった?

 「私はアンチ巨人だった。だが、ここぞという場面で打つ長嶋さんは認めていた。長嶋さんは3連戦のうち2試合で凡退が続いても、3試合目の一番重要な場面できちんと仕事を果たした。当時は『やられた!』と思ったが(笑)、あの存在感は認めざるを得なかった。それに、あの明るさは誰も嫌いになれない。デフレ脱却にも、長嶋さんの陽気さはプラスだ」

 ──多忙な日々が続くが、最近のリフレッシュ法は

 「ビデオ鑑賞かな。米テレビドラマ『ロー・アンド・オーダー』はとても面白い。ニューヨーク州の検察と警察を描いていて、刑事ドラマと法廷ドラマを一気に楽しめる。法律ドラマでは、やはり米テレビドラマ『グッド・ワイフ』もいい。州検事の夫が逮捕され、弁護士に復帰した妻がさまざまな訴訟に取り組んでいく。人間ドラマがきちんと描かれている」

 ──以前、安倍首相が夕刊フジで紹介した百田尚樹氏の「海賊とよばれた男」が本屋大賞を受賞した。最近のお勧めは

 「先見の明があったね(笑)。最近読んだのは、横山秀夫氏の『64(ロクヨン)』で、未解決の少女誘拐事件をめぐる警察小説。すごい作品だよ。スティーヴン・キングのSF小説『アンダー・ザ・ドーム』も良かった。本が大きくて、上下巻で相当重いけどね」

 ──GWは外遊(ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ)がギッシリだ

 「いずれも、日本にとって大切な国々だ。各国首脳としっかり話し合ってきたい。それぞれの国の文化や歴史にも関心がある。もし時間が空いたら、一般の方々の生活にも触れてみたい」

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