まず、夏までは経済の建て直しに全力を注いで頂きたい。

ここは党派の垣根を越えて、協力しながらやっていかないと。


【安倍首相会見詳報】


「政策の一丁目一番地は経済再生」
2013.1.11 10:49 [安倍首相]

 「先ほど第2回日本経済再生本部、それに続いて閣議を行い、緊急経済対策を決定致しました。私から対策の位置付けとそして内容のポイントについて簡単に説明させていただきたいと思います。安倍政権は政策の一丁目一番地を経済の再生と位置付けています。額に汗してがんばって働けば必ず報われる。まっとうな社会を取り戻していくためにも長引くデフレと円高からの脱却が決定的に重要であります」

 「残念ながら民主党政権においては、経済対策は分配ばかりを重視をして、国全体としてどう稼いで経済全体のパイどう大きくしていくか、広げていくかということについては十分でありませんでした。そこは十分ではなかったと言っていいと思います。安倍政権では、まず政策の基本哲学を変えていきます。縮小均衡の再配分から成長による富の創出へと大胆に転換を図っていきます。萎縮し続ける経済に決別をして、イノベーションや新しい需要が次々と生み出されていくような、そしてそれによって雇用と所得が拡大をしていくという強い経済を目指して参ります」

 「強い経済を取り戻していくためには、大胆な金融政策、そして機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢を同時展開していくべきだと考えています。デフレ・円高からの脱却のためには政府、日本銀行の連携による大胆な金融政策(が必要)であります。あわせて日本銀行が供給したお金を使うことが必要です。このためまずは政府自らが率先して需要をつくり、景気の底割れを防がなければなりません。他方、いつまでも国の財政で需要をつくり続けることはできません。持続的に成長するためには企業がお金を借りて積極的に投資をして売り上げを伸ばす。これによって雇用や賃金を増やすという好循環を生み出していかなければなりません」




「昔の自民党のような安易なバラマキではない」
2013.1.11 11:26


(1)政策の一丁目一番地は経済再生にもどる

 「そのためには、日本経済は成長していくとの将来への確かな期待を持てるような成長戦略が極めて重要であります。同時に、プライマリーバランスの黒字化も目指してまいります」

 「今回取りまとめた対策は、従来とは次元の違うレベルで、一体かつ強力に実行する政策パッケージの第1弾であります。内容面では、この3つの重点分野によって構成されているわけでありますが、まずは復興、防災対策。そして成長による富の創出。3番目は暮らしの安全と地域活性化であります。この3分野に重点化をしているということが特徴であります」

 「例えば、命と暮らしを守るインフラの再構築を図り、国道整備だけでも約50万件を緊急点検いたします。国民の日々の暮らしを大切にする姿勢もお示しするわけでありまして、具体例を挙げれば、若者には正規雇用に熱心な企業を応援する仕組みを作ります。働く女性のために子供の一時預かり、保育士の就職支援といった措置を講じ、地域での子育てを、子育て支援を充実してまいります。子供やお年寄りのために通学路の安全確保やバリアフリー化にも取り組んでいきます」

 「前向きな町工場には、民主党政権の事業仕分けで廃止された「ものづくり補助金」を復活をさせて、試作品開発などを支援をいたしてまいります。それによって、1万社を対象にしてまいります」

 「さらに、税制措置として、額に汗していく、額に汗して働く人々には、企業の給与支払いを拡大するための措置を取ります。お年寄りには、おじいさん、おばあさんがお孫さんに教育資金を贈与する際の非課税措置を盛り込んでいきたいと考えています。このように、国民生活のさまざまな場面に、きめ細やかな対応をする多彩な施策を盛り込んでいます」

「規模の面では、補正予算による財政支出は13兆円、事業規模は20兆円を超えるリーマンショック時の臨時異例な対応を除けば、史上最大規模となります。この対策によって、実質GDPをおおむね2%押し上げ、約60万人分の雇用を創出してまいります。経済再生への強い意思と明確なコミットメントを示す本格的な経済対策に仕上がっていると思います」

 「昔の自民党のように無駄な公共事業のバラマキを行っているんではないかという批判も耳にしますが、それは違います。安易なバラマキではないということは明確にしておきたいと思います。われわれは、まさに古い自民党から脱皮をしたわけであります。国民生活を守る事業、成長や地域活性化を促す事業に対象を重点化し、無駄にならないよう、中身もガラス張りにして、費用と効果の比較も見えるようにしてまいります」

 「また、ニーズが高く早期執行が可能な公共事業や、早期の市場拡大につながる施策を重視してまいります。経済効果が早期に出るような工夫も随所にこらしています。今後、政府をあげて政策の早期実行と分かりやすい説明に努めるとともに、国民生活の向上につながっているかしっかりとフォローアップをしていきたいと考えています」


「中国は国家として間違っている」「尖閣は断固として守る」

2013.1.11

(2)昔の自民党のような安易なバラマキではないにもどる

 「私は年頭記者会見で経済再生に向けてロケットスタートを切りたいと申し上げました。新年早々から日本経済再生本部を立ち上げ、経済財政諮問会議も再起動、今般の対策もそうしたスピード感ある政策実行の一環です。閣僚、与党議員、各省庁の職員を始め年末年始返上で尽力した関係者の皆さんに改めて感謝したいと思います。今般の対策とともに、来年度予算編成、税制改正作業を早急に進め、日本経済の再生と中長期的に持続可能な財政の双方を実現する道筋をつけていきたいと考えています。私からは以上です」

 --今、経済効果を早期に出すことが必要といわれたが、具体的にどのように家計にプラスに反映されるとお考えか。また、経済財政諮問会議の民間議員からも指摘があったように新たな借金による財政の悪化や長期金利の上昇といった点についてはどのようにお考えか。中長期の財政規律のお考えと、それをどのようにして首相として実行を担保されていくお考えか

 「今、ご質問いただいた点が極めて重要な点だと、ポイントだと私も考えています。企業の収益を向上させて、そして雇用や賃金の拡大につなげていきたいと考えています。この場をお借りいたしまして、企業の経営者の方々にもご協力をいただきたいと思っています。また、そうした流れをつくっていくために、税制面でも支援をしていきたいと思います。国民生活の向上に繋がっているか、しっかりと私たちはフォローアップしてまいります」

 「財政規律は極めて重要であると私も認識をしております。プライマリーバランスの黒字化を目指してまいります。ただし、強い経済の再生なくして財政再建も日本の将来もないわけであります。今回の経済対策は経済の先行き懸念に対して、強力なてこ入れを行うために、財政支出13.1兆円という思い切った規模といたしました。その内容も即効性や需要創造効果の高い施策を優先して取りまとめております。実質GDPを押し上げる効果は2%。そして雇用創出効果は60万人程度が見込まれるわけであります。今後、来年度予算編成について、財政健全化目標を踏まえつつ、経済の再生を目指していくとともに、日本経済再生と中長期的に持続可能な財政措置の双方を実現していく道筋を検討していく考えであります」

 --首相は今日の午後、この経済対策を説明することもかねて関西に行く。日本維新の会の橋下徹代表代行とも面会する。首相は維新とも距離が近いとされ、持論の憲法改正では強力に期待感を示している。通常国会の召集を控えたこの時期に橋下氏と会談する意図は。どのようなテーマについて意見交換したいのか。夏の参院選に向けて維新の会は与党に対抗するために民主党や第3極との共闘を模索する動きもあるが、そうした動きをどう受け止め、対応する考えか

 「まず最初に東京とともに日本の経済を引っ張って、大阪、関西地域は極めて重要だと考えています。その中において関西を訪問し、当然、県知事さん、市長と、お目にかかって、実情や、彼らの要望を伺うのは当然なんだろうと考えています。同時に維新の会のリーダーの一人である橋下さんや大阪府の松井一郎知事とお目にかかって、この国会において補正予算を早期に通過させていくことが景気、経済、地域の発展にとって極めて重要だということは話をしていきたい、協力についてもお願いしていきたいと思います。

 また、夏の参院選に向けて各党がそれぞれいかに戦力を拡大していくかという中で、戦略を練っていくというのは当然なんだろうと思います。われわれは、一貫して申し上げていますが、自公で安定した政権を取って、衆院、参院で過半数を目指して、安定的な経済政策を進め、日本の強さを、強い日本を取り戻していきたい。この基本的な考え方には全く変わりがないということも申し上げておきたいと思います」

 --外交について。東南アジア訪問の狙いは。その地域における中国の進出について日本と各国の間に連携はあるのか。日中間では尖閣問題の関係悪化で、日本企業は中国で相当な被害を受け、日本経済も影響を受けた。尖閣領有権で強い態度を示し、同時に日本企業や経済を守るには、どの様にバランスをとればよいか

 「まず、最初の訪問地域としてASEAN(東南アジア諸国連合)を選びました。2015年には、ASEANは共同体となっていくということを目指しています。つまり、経済圏としてもですね、大きな経済圏が誕生していくわけであって、人口も伸びていく。この伸びていくASEANとですね、連携を深めていく。経済においてもそうでありますが、エネルギーや安全保障の分野においても、協力を深めていきたいと考えています。ASEANの私が訪問する地域、このベトナム、インドネシア、タイ、日本のまさにパートナーと言っても良いと思いますが、連携を強めていくことによって日本の外交力を強化をしていく、そして同時にですね、経済発展、成長をはかっていく、さらにはさらなる交流を進めていくことによってですね、地域の安定に資することになっているんだろうと、こう考えております。

ですから私にとってASEAN訪問は極めて重要な訪問になるわけであります。その際に、私の外交についての、またアジア外交についての考え方を述べさせていただきたいと、こう思っています」

 「そして韓国においては、朴槿恵(パククネ)氏が次の大統領の予定者に決定をしました。韓国にも新しい指導者が誕生したわけでありますが、日本でも政権が交代した、一日でも早く新大統領と信頼関係を構築していく中において、お互いに自由と民主主義、基本的人権、法の支配、価値を共有する国同士であります。共有する国同士としての関係を強化していきたいと思っています」

 「その上で中国でありますが、尖閣について、この海と領土、これ断固として守っていくという姿勢はいささかも変わりがありません。この問題について交渉するということは、余地はないということは、すでに申しあげてきているとおりであります。問題はですね、政治的目的を達成するために、中国に存在して、中国の経済・社会に貢献している日系企業に被害を与えたり、個人に被害を与える。これは、責任ある国としてはですね、国際社会で責任ある国家としては間違っている、ということをはっきりと申しあげたいと思います。それは、両国の関係を毀損(きそん)するのみならず、中国の経済・社会にも大きな悪影響を与えるわけでありますから、そのことをお互いに理解しつつ、そういう関係を尊重するというのが、戦略的互恵関係でありますから、戦略的互恵関係に立ち戻って、日中関係を私は改善していきたいと、このように考えています」


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