http://www.youtube.com/watch?v=Y7PNP-mYDkM&feature=player_embedded


[産経ニュース 2011.3.16 16:52から抜粋]
陛下、被災者、国民へビデオメッセージをご発表

天皇陛下は16日、東日本大震災の被災者や国民に向けたビデオメッセージを
発表された。陛下がビデオでお気持ちを述べられるのは初めて。
陛下は「この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を
見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています」と
述べ「一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています」と被災者を案
じられた。
福島第1原発についても「現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであ
ることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切
に願っています」と述べられた。
救援活動にあたる人々の労をねぎらうとともに、被災地以外の国民にも「被災
者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち
合っていくことが大切であろうと思います」と述べられた。

●天皇陛下のお言葉 全文


この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規
模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震や津波
による死者の数は日を追って増加し、犠牲者が何人になるのかも分かりません。
一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています。また、現在、原子力
発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事
態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。

現在、国を挙げての救援活動が進められていますが、厳しい寒さの中で、多く
の人々が、食糧、飲料水、燃料などの不足により、極めて苦しい避難生活を余儀
なくされています。その速やかな救済のために全力を挙げることにより、被災者
の状況が少しでも好転し、人々の復興への希望につながっていくことを心から願
わずにはいられません。そして、何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者
としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々し
さに深く胸を打たれています。

自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国か
ら救援のために来日した人々、国内のさまざまな救援組織に属する人々が、余震
の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深
くねぎらいたく思います。

今回、世界各国の元首から相次いでお見舞いの電報が届き、その多くに各国国
民の気持ちが被災者とともにあるとの言葉が添えられていました。これを被災地
の人々にお伝えします。

海外においては、この深い悲しみの中で、日本人が、取り乱すことなく助け合
い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。これか
らも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より
願っています。

被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く
分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を
捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよ
う、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、
被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より
願っています。