最近出た雑誌「音楽と人」に大森元貴さんのインタビューが掲載され、SNSでは多くの方々が、大森さんの曲作りへの思いとメンタルのバランスを心配されていました。
私は大森さんをポピュラーミュージックを主体にした稀有な芸術家だと思うのですが、大森さんのことを考えると以前読んだ帚木蓬生さん著「ネガティヴ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」を思い出します。
帚木さんは著作の中で、長生きで悲劇的作品をたくさん生み出したシェイクスピアはネガティヴケイパビリティが高く、力がありながらも自ら早逝された作家はネガティヴケイパビリティが低いといえると書いていらっしゃいました。
大森さんは不眠とか、睡眠時間が短いと言われています。でも仮にショートスリーパーだったとしたら短時間睡眠タイプでも健康に長生きして、多くの人々の心を打つ曲を作り続けることができ、まるでシェイクスピアのようだと思うのです。
私達でもネガティヴさを抱える力は、意識すれば自分で育てていくことができます。そしてネガティヴケイパビリティの高さは心の健康につながります。私もこの本を読んでからとても意識するようになりました。
ネガティヴさは悩ましいけれど、向き合うことで成長の種子になるはずと信じるようにしています。
また芸術を観たり聴いたりすることがきっかけになり、心が癒されたりする側面もありながら、琴線に触れてネガティヴに考え込んでしまったりすることもあるかもしれません。でもそういう時間が私達を醸造し成熟に向かわせてくれるのだと思うのです。

