今回はスエフェスという、劇演出作家末満健一さんのバースデーミーティングで演じられた朗読劇です。以前からニコニコ動画の末満さんのチャンネルすえ咄で話されていた作品の試作品らしい
どんな作品なのか楽しみです






脚本・演出    末満健一
音響他       吉本考志


グレン・カーティス      和田琢磨(12:30)
               梅津瑞樹(18:30)

レナ・パール・ネフ       西分綾香
トマス・ボールドウィン(キャプテン・トム)  唐橋 充
グラハム・ベル         宮川 浩
ウィルバー・ライト       池之上頼嗣
オーヴィル・ライト       三好大貴
サミュエル・ラングレー     竹村晋太郎
チャールズ・ウォルコット    竹村晋太郎
トーマス・セルフリッジ中尉   三好大貴

ライト兄弟は初めて飛行機を飛ばしたことで知られるが、その後はライバル達と鎬を削っていた事はTVで少しだけ見た事はあるがあまり印象に残っていない。今回はそのライバルの一人グレン・カーティスの物語である。
空に憧れをもつ者達にとって、グライダーで有人飛行を試んでいたオットー・リリエンタールの死は、哀悼と更なる飛行へと導いていた。
誰よりも早く自転車を乗りこなす男グレンは自転車屋を営みながら、新しい自転車にエンジンを付けより早く走る事を目指していた。そんな彼の元にキャプテン・トムの異名をもつ男が現れた

座席に背をくっつけてたはずなのに、首だけ前のめりになってゆくんです。マチネもソワレも、話にグイグイ引き込まれてしまい、何度直しても駄目でした。空に憧れて飛行機に夢中な男達が眩しくて「これ男の人達好きでしょ」(客席は女性ばかりですが)と言いたくなる内容でした

和田グレン お稽古3時間といいながら台詞が幾らか入っているようで台本見ずに台詞を言ってるシーンが多くビックリしました。情熱を内に秘めて、ひたすら自分の進むべき道をそのつど選んで進んでる。どっしりとしている。そんなグレンに見えました。空にリリエンタールのシーンは周りで泣き出す人が続出したくらい良いシーンでした

梅津グレン 元々小劇場の人で『漆黒天』でも癖者を演じてた人なので何かやらかしてくれるのかもと思ってましたが、唐橋さんとの絡みぐらいですみました。感情に役をのせたとでもいうんでしょうか、起伏のある役作りをされてました。

和田グレンと梅津グレンどちらが好きかというのは好みだと思います。また、主役によって周りの役者の演技も変わっていたので、これはどちらでも有りだなと思いました

西分レナ最初声が強過ぎるかなとも思ったのですが慣れてきました。和田グレンが夫の時はしっかり者で対等な感じでしたが、梅津グレンの時は声のトーンもちょっと変わり、同級生の様な可愛さがありました

唐橋トム 真面目に芝居をされてるんですが、やらかして下さいます。しかもそれが面白いのだからどうもこうもしようがない。可愛い役者さんです
宮川ベル ご本人も言っておられたけど、「え?これだけ?」勿体ないです。でも構成上仕方ない
トム同様グレンを飛行機の世界に導く大事な役でした
二役やった竹村さん 違いを出すのは大変なのにベテラン(中堅?)さんなのでやはり上手い。その上3人(竹村、池之上、三好)で色んなパフォーマンスを繰り広げてくださり、客席を沸かして下さいました
ありがとうございました
同じく二役を演じた三好オーヴィル、少佐は控えめな感じで、オーヴィルは少年がそのまま大人になった様で良かった。空のシーン泣いておられましたよね。
池之内ウィルバー 途中でどっちが兄で弟なのかわからなくなりました。実際、ウィルバーは3男でオーヴィルは4男、どっちが上という関係ではなかったかもしれません。ライト兄弟は2人とも少年が大人になった設定なのでしょうか。この役もそう感じました。

今回の作品はいわば試作品で完成品ではありません
今後、ストレート・プレイやミュージカルになってゆく作品です。このままでもある程度完成してると思いましたが、この作品の卵がどう成長するのか今後も見守りたいです