昨日に続いて倉吉未来中心大ホールへ



作   フロリアン・ゼレール

翻訳  齋藤敦子

演出  ラディスラス・ショラー

ニコラ   岡本圭人

アンヌ   若村麻由美

ソフィア  伊勢佳世 

医師    浜田信也

看護師   木山廉彬

ピェール  岡本健一


父がいた。不倫で離婚再婚し息子もできた

母がいた。夫は家を出て愛する息子がいたが、心がつかめず追い詰められていた

息子がいた。愛する父が他の女性の元にいき、当たり前と思っていた日常は絶対ではないと知り、生きる事が苦しかった。

息子は父と一緒に暮らす事になるが、新しい家族の中で自分の居場所がみつけられなかった。


兎に角最初から全てが重い

身も心もずっしり沈みそうなくらいで観るのも覚悟がいる程だった。それを和らげてくれたのが『母』同様美術の美しさとスムーズな場面転換だった。

劇中大きな音がなるシーンがありビクッとしたが、そこで演劇用語でいう『チェーホフの銃』

ー舞台に出てくる物で使わない物はないー

伏線をすっかり忘れていたのに気づいた

これはミスリードされてたのかな

だとしたら脚本と演出の妙にやられてしまったのだろう


苦悩する息子を岡本圭人くん

かなり難しい役で、『母』の時とは別人に見える

いや、メインキャストは役名は同じだけどキャラも設定も違う。ひょっとしたらある家族の違う時間線を作者達は描きたかったのかも知れない。

それくらい繊細で壊れそうな青年を演じてました

ただ、凄く見晴らしの良い席で観ていたのに台詞の一部が聞き取れなかった。それが唯一残念だった。 


岡本パパ

たとえ離婚したとしても、自分は自分の父親とは違い良い父であろうとするけど、子供の心がつかめず空回りしてしまう。側にいてもお互いの向いてる方向が違うのだ。この役を実の親子でやる事は役者以上に思う事もあるのじゃなかろうか?

そんな気持ちにもさせられました。


若村ママ

いきなり夫より夫婦の梯子を外され心残りなのが伝わってくる。それだけに息子が選んだ道が悲しい


伊勢新ママ

妻のある人を好きになった事への罪悪感はないのだろうか?かなりポジティブな若い女性の役作りなのかな。彼女までこの話の闇にドップリハマりこまなかったことは救いだった。


ここでは息子だったが、これが娘でも同じ様に親子は悩み苦しむのだろう

帰って親子でこの話を出しながら語り合いたいと思った

良いお芝居を2作も持って来てくださった事ありがとうございます。良い挑戦を続けていってください