3時間のお芝居なんては久しぶり!と思っていたら、前回舞台『刀剣乱舞単独行』で体験していました。いや、市民劇場の公演では初めてでは?とふと思う。お年寄りも多い会員さんと三幕、3時間あまりのお芝居はどうなるのか?
不安と楽しみでした





作=井上ひさし 演出=丹野郁弓


古橋健一郎   篠田三郎(青山事務所)
倉田大吉       横島 亘
佐久間たつ子    藤巻るも
田中お清     中地美佐子
高瀬力太郎 千葉茂則
竹内一夫 塩田泰久
池田徳蔵 吉岡扶敏
二代目小森新三 みやざこ夏穂
笹原巡査 吉田正朗
お浜 別府康子
神谷光子 印南 唯
月乃(高瀬さわ子) 吉田陽子
ゆきゑ(竹内京子) 桜井明美
花代(小山花) 有森也実(客演)
節子 加塩まり亜
順子 佐々木郁美
正子 清水川千紘
着付けのおじさん 平野 尚
 〃  横山陽介
 〃  愼 将吾
 〃  小守航平

昭21(1946)年柳橋・古橋医院。ここに集う人びとは、水谷八重子に心酔する古橋院長を筆頭に、事務方、看護婦、女中まで全員が大の新派マニア。患者の身の上話もたちまち「婦系図」風の筋書きに。そこへ八重子そっくりの「音楽のような声」をもつ芸者花代が登場、恋愛事件もわきおこって大騒動。はたまた「女形の研究」に熱中するあまり、入営日に寝過ごし徴兵忌避者になってしまう大学生もからんで……
(あらすじHPより拝借)

一幕目がまず「え?終わり?」という体感
二幕目はじっくり一夫君の女形姿とそのお芝居に夢中であっという間に終わり。
三幕目「もう終わるの」となる
3時間が長く感じないのだ
こまつ座マジック
そのこまつ座と芸達者な民藝さんの夢のコラボは素敵でした。今年最後の市民劇場の大トリをしっかり務めて温かい気持ちにしてくださいました。

お話としてはハッキリ言って、劇には出て来ませんが女優水谷八重子のオタク達の話です。

戦時中の暗い話題やエピソードは出てきますが、兎に角みんな明るくて、何でも芝居仕立てにしてしまう。それだけここに集まる人達(当時の人達)にとって、水谷八重子(娯楽)が心の支えであり、明日生きていく希望でもあったのだろう。

私自身病気がちな身体で、仕事と病院と家を行き来する生活からある日、ポーンと弾けて演劇を観に初めて東京へ1人で行ってしまった。
家族もびっくりしたが、私自身も自分のそんな行動にびっくりした。恐々東京に行き、演劇を観たあと演劇の街下北沢でゆっくり過ごし「またここへ来たい。」と思った。それがきっかけで市民劇場にも入り、観劇遠征も始めた。
何か生きていく指針が欲しかったのだろう

「芝居を観ないと死んでしまう」
私がよく言う言葉です。

娯楽が無くても人は死なないと言われるけど、いや娯楽がないと、夢や希望がないと人は(早くに)死んでしまうと思う。命はあっても心は枯れていってしまう。
この作品を観てあらためて、演劇って良いものよと伝えたくなった。