まさか観られるとは思わなかった。



製作         キャメロン・マッキントッシュ 
脚本、歌詞      アラン・ブーブリル 
原案、脚本、音楽   クロード=ミッシェル・シェーンベルク
日本語訳詞      岩谷時子

エンジニア  駒田一 
キム     昆夏美
クリス    小野田龍之介
ジョン    上原理生
エレン    知念里奈 
トゥイ    西川大貴 
ジジ     則松亜海
タム     上原琴葉

ベトナム戦争末期、兵士クラスは田舎から売られて来たばかりの娼婦キムと出会う。遊びの一夜の筈が、二人は恋をし結婚式を挙げる。
戦火はいよいよ厳しくなりサイゴン陥落も間近、クリスはキムを残し強制的にアメリカに帰還させられる。
歳月が経ち、ベトナムは社会主義国家になり、キムは貧しい生活をして暮らしていた。彼女を追うかっての許嫁の前で、彼女はクリスとの間に子を成したことを告げるが、納得せず、息子を殺そうとする彼を撃ち殺してしまう。
その頃クリスはアメリカで結婚し、何も知らず幸せに暮らしていたが…

この作品は何かでミュージカル『キャバレー』だよ。と書いてあるのを読んで、「あ、じや、パス」と思っていた。
ハッキリ言う、歌は良い。名曲がいっぱいあって『彼を返して』を歌われたら泣きます。事実泣いた。
女性からしてみれば、戦争という名と男のエゴで一番立場の弱い者、ここでは女性と子供が酷い目に合わされている。クリスの台詞一つ一つも腹立たしく感じる物がある。
戦争は今現実に起こり、やはり女子供が大きな被害を受けている。『正当な戦争』という名ばかりの侵略以外に方法は無いものなのか…
脱線した。もとい。

駒田さんのエンジニア。『キャバレー』でいうMC。物語りの狂言廻し的役所で、一番欲望に忠実なキャラ。自分に嘘をつけない分正直でいいおじさん。お兄さんではなくおじさん。それが、私の駒田さんのエンジニアでした。

昆夏美ちゃんのキム。昆ちゃんか高畑充希ちゃんのキムがみたかったから嬉しかった。
花街に身を置きながらも、純粋で清楚。
ただ一人の人に心身共に身を捧げその気持ちを守り続けている。一途さが哀しい。
『彼を返して』の歌声は気がついたら涙がすーっと流れてた

クリフの小野田さん。戦地で見つけたたった一つの癒しであるキムとの逢瀬はこれでもかと甘い、それだけに戦後との彼の熱の落差がハッキリしていた。後半憎らしいくらいだった。

ジョンの上原理生さん。上原さんお久しゅう。以前観た役との落差にビックリする程の男臭さ。匂ってきそう。戦時中のワイルドさが後半では紳士然としていて、ジョンカッコイイと思ってしまった

エレンの知念さん。キムも演じたことのある知念さんのエレン。同じ女としての同情と揺れる女心。この人も被害者の一人だ。観たかった人の一人だったので観れて良かった。

トゥイの西川さん、小野田さん同様に知りませんでした。キムの婚約者であり、彼女を自分の物と思っている男。これは愛なのか?プライドなのか?歪んだ愛に私には映った。

ジジ、則松さん可愛い女性だなと目で追ってました。

良席で観劇できたが、前の方か背がすごく高くてクライマックス隠れて見えずつらかった。
こればかりは仕方がないかぁ
休憩挟んで2時間45分でした。