米子市民劇場の舞台から日も立ち、忙しさにかまけて感想を書いてなかったのでそのままにしようと思ったが、「いや、あの舞台は絶対観るべき」と思ったので記します。






作: ロベール・トマ 

翻訳: 小田島恒志、小田島則子

演出: 松本祐子


石母田史朗(青年座) 

加藤忍(グランドスラム)

清水明彦(文学座)

西山聖了

里村孝雄

上原奈美(東京乾電池)


アルプス山脈が一望できるリゾート地、シャモニー郊外の山荘で、若い男が呆然としていた。3カ月前に結婚した妻が、ふとした喧嘩がもとで10日前に失踪してしまったのだ。

警察の捜査でも手がかりはなく、憔悴する男。

数日後、近隣の神父が「妻」だと連れてきたのは、会ったこともない女だった・・・。


正体不明の神父と女、混乱する警部、追い込まれていく男。果たして、真実は誰が語っているのか!?

ストーリーは抜粋です。要は知らない女が入り込んでゆき、誰もが彼女の証言を裏付けてゆく、追い込まれていく男のその先には何が待ち受けているのかハラハラドキドキさせられる。

以前映画で見ている上、このネタは他のドラマでも使用されている。古い作品でもある。

にもかかわらず、グイグイ引きずり込んでいく、演出と役者陣の演技の底力に圧倒される。

誰がじゃなく、演者と観客が「罠」を深く蜜にさせていってるのだ。

今回の作品の役者さん達は、元々チームとしてこの作品を上演していたらしく、当初刑事役で出る予定だった原さんが急病で出られず、科白量と作品のモチベーションを維持するため、神父役の清水さんが刑事役に代わったと聞いた。西山さん新しく入られたわけだけど、チーム力はバツグンだったと思う。

話の全てを知った後で、この作品をもう一度観てみたかった。その時、この舞台の景色は全く違った物となって新しい「罠」をかけていただろう。