倉持作品は私の中で、当たりと外れが極端に出る作演出家さんなので、今回の作品はどちらだろうとドキドキでした。
Twitterでフォローしてる方が良かった!と言われてたので、「そうか、良し。」とるんるんで県境越えて参りました。
原案 江戸川乱歩
作・演出 倉持 裕
音楽 斎藤ネコ
お勢 倉科カナ
千代吉の娘 福本莉子
住み込みの女中 江口のりこ
小姑 池谷のぶえ
電灯工事夫 堀井新太
元刑事の男 粕谷吉祥
看護士 千葉雛子
後妻 大空ゆうひ
精神病院医師 正名僕蔵
代議士 梶原善
大正末期、資産家の松成千代吉の屋敷に身を寄せた女流作家、 お勢がいる。
その屋敷には、千代吉の娘と住み込みの女中、そして千代吉と小姑からの圧力に苦しむ後妻がいた。
ある日、千代吉に屈辱を受けた代議士は、 後妻と結託し、松成家の財産をすべて奪い去ろうと、千代吉を狂人に仕立て上げる計画を練る。
女中、精神病院の医院長、貧しい電灯工事夫らを巻き込み、首尾よく進むかに見えたが、第一の殺人がおき、計画は思わぬ惨劇へと突き進むーーー
ストーリーは上記の通りですが、作品はいきなり何してるのこの人達、ってな状態から入ります。
倒置法でお話は進みます。それも行っては戻進んでは戻りと、倒置法とリフレイン、それに映画のような映像も駆使して、印象を焼き付ける様に進んでいく、また凝ったことをしなさる。
倉持さんは気をつけないと、置いてけぼりを喰らう程スピーディーな話展開の方だけど、一度乗れるとジェットコースターのように目まぐるしく、鳴り物で音まで華やかなお芝居でした。
県外含め人が多いと思ったら、この日が地方公演の最後。
ということは、全体公演の大千秋楽。
わぁおー、ひょっとして飛び出る物もおまけありましたか?
何の話し?ですよね。(^_^;)
すみません。DVD出たら買って観て下さい。
『悪女』ということで女性のみ感想
お勢の倉科カナさん。舞台にいるだけで、パッと華が咲いたみたいになる方がおられたるけど、倉科さんもまさにそう。
艶やかで謎めいていてこんな悪女なら嬉しい。
舞台『タンゴ・冬の終わりに』をTVの時から好きです〜
女中の江口さん
あっさりとした、江口さんらしい女中さんで、日常がある時からあれよあれよと事件に巻き込まれていく様が小気味いい。
小姑の池谷さん
いかにも実家の弟にお小遣いをせびりにくる姉らしく、修羅場になってからのシーンも迫力があった。いますよね。こんな人、って思わせて下さいました。
後妻の大空さん
多分、世間的には彼女が唯一の悪女になる
DVな夫からの被害以上に、夫にした事を思うと許されない事だけど、一番不憫な人になる。
場面ごとに感情が違うから難しい役だと思った。
いい後妻さんでした。
千代吉の娘の福本さん
海千山千の癖のある役者陣の中で唯一無垢な存在として描かれている。彼女は可愛く演じていました。
本当に?それだけでない面も見せてくださいました。
看護士の千葉さん
闇の部分を一番見聞きしている人。
それらをまるで他人事の様に捉えている。
一番自分が傷つかない生き方かもしれない。
そう映りました。
今、世は正に『悪女』の時代。
自己を持ち出すべき時は強く主張をする『悪女』は、一部小説や漫画の中でブームをおこしています。
さて、本当に一番の悪女は誰なのか?
お勢の華やかな笑い声が響いてます