今回の遠征、チケットを頼んだ時はまだこんなんじゃなくて、
そのために、家族でもかなり揉めて、結果色んな準備と最悪の想定までして対策もたてました。
どうしてそこまでして?
そう周りからは思われるでしょうが、私の年齢もあります。
恐らくここ数年で自力での運転での遠征は無理になります。
早くに亡くなった親達や主人の事を思い、悔いだけは残さずに逝きたいという思いがあったからです。
演出・脚本 末満健一
音楽 和田俊輔
シオン・ヴェラキッカ 松下優也
カイ・ヴェラキッカ 古屋敬多(Lead)
ジョー・ヴェラキッカ 愛加あゆ
クレイ・ヴェラキッカ 大久保祥太郎
マギー・ヴェラキッカ 斎藤瑠希
ウィンター・ヴェラキッカ 西野誠
ロビン・ヴェラキッカ 宮川浩
キャンディ・ヴェラキッカ 平野綾
ジョー・ヴェラキッカ 愛加あゆ
クレイ・ヴェラキッカ 大久保祥太郎
マギー・ヴェラキッカ 斎藤瑠希
ウィンター・ヴェラキッカ 西野誠
ロビン・ヴェラキッカ 宮川浩
キャンディ・ヴェラキッカ 平野綾
養子たち 山崎感音、伊藤わこ、千歳ふみ、
能勢うらら、黒沼亮、中道杏菜、増田璃生
吸血鬼の名門貴族ヴェラキッカ家に、養子としてキャンディがやってきた。壮大な荘園を治るヴェラキッカ家には、当主ノラ、遠縁の親戚であるシオン、異母弟のカイシオンの妹ジョー、家庭教師のロビン、執事のウィンターら一族の仲間に、クレイ、マギーら養子たちがいた。
このヴェラキッカ家の吸血種たちには、家訓があった。
『ノラを愛する事』
全員がノラに強烈なまでの愛情と執着を見せていた。
キャンディを巻き込んでノラを巡るマウントゲームがはじまり、ヴェラキッカ家の秘密が暴かれていく。
キャンディを巻き込んでノラを巡るマウントゲームがはじまり、ヴェラキッカ家の秘密が暴かれていく。
始まりは今までのTRUMPシリーズとは違い、全くの『ミュージカル』だった。MGMミュージカル映画に染まって育った私には懐かしい様なシーンもあり、とにかく、全く普通と変わりないミュージカルを観ている様な感覚で一幕がどんどん進んでいきます。
所々に違和感という伏線をのこしながら。
『TRUMP』として観ると物足りなく感じるので、「これは新しく、正統派ミュージカルに挑戦しているのかな?」と、気持ちを切り替えたりもした。
よく聞くと歌がすごく難しいのだ。
その難しい歌をみんな難なく歌い上げているこれだけでも凄い。
一幕終幕辺りで俄に怪しくなる。「えええ…」で一幕終了
二幕は…ネタバレなので詳しくは書きませんが、末満さんが言っていたようにラブロマンスであり奇々怪界なお話でもありました。やはりTRUMPとしては物足りない。なんかスッとしない。
何だろうこのモヤモヤ
モヤモヤの原因、私の共同幻想の捉え方が原因かもしれません。
ノラが自我を持ち出したのが今ひとつ解らないのです。
『LILIUM』の円盤見直して考察し直してみた方がいいかもしれません。
ただ、まあ見終えたあとで何かやたらと『くる』モノがあるのです。
配信で2度観ているのに、観れば観る程じわじわとその毒に侵食されていく不思議な感覚。
やはりこれはTRUMPだぁ
それを導き翻弄させてくれたのは、美弥るりかさんの出る度殆ど何もしてない(そうみえるだけ)けど妖しく美しい姿のノラ。
衣装と鬘だけで何度変えたのだろう、見惚れていて数えてない。
強いノラ。優しいノラ。カッコいいノラ。妖艶なノラ。
見る人によって姿を変えてゆく。
そして哀しい。
魅力的で誰もがノラを愛しているのがわかる。
美弥さんのノラで良かった。
平野綾ちゃんのキャンディ。可愛くって、そして終盤の『嘘の真実』のアカペラは素晴らしかった。歌本当にうまくて泣きそうだった。
そして、松下君のシオン。大きな愛でノラを見守っていた人。バルコニーの『小さな恋だった』の歌は好きでした。
そしてノラとの鉄のドア越しのシーン、新良エツ子さんの『愛という名の呪い』の流れるシーンは
何度観ても泣きそうでした。
ジョーの愛加さん。ちょっとキャンキャン吠えすぎているような気がして気になりました。そういう演出だったのかな?
後半自分の気持ちに気づいてからはそうでもなくなった。歌はさらに上手くなった。
クレイ、マギーの大久保、斎藤コンビ
楽しかったー!良いコンビでTRUMP最多出場の大久保さんの顔を見ると安心する。
斎藤さんが初舞台とは思えなかった。あまり顔に汗かかないんですね。ビックリした。
またこの2人の『愛は殺意』の歌もいいんだなぁ
異母姉弟であることでノラを愛する事を苦しむ古屋さんのカイ。
大楽でカイの心情を訴える大事な歌のシーンですっぽり歌が抜けてしまい大変だったのになんとか持ち直してました。良いシーンだけに残念。
西野ウィンターは癖が凄く凄い。でも、『身の程を知れ!』の歌とか上手いから許せちゃう。
宮川さんのロビンは安定の演技でした。
脚を痛められての役の設定の変更で、
ダンスシーンが見られなかったのは残念でした。お大事にしてください。
そして、アンサンブルのみなさん。
今回出れなかった人も含めご苦労様でした。
控えとしているスウィングの存在を今回初めて知りました。
皆さんがいるから今回の舞台、苦難にも乗り越えて開幕する事が出来たと思います。
ありがとうございました。
しかし生存率100%(ノラは別として)のTRUMPを観る日がこようとは、『マリーゴールド』の時想像だにできませんでした。