シャボン玉といえば音楽座。かつてのメンバーが現存中に観たかった劇団の一つ。

市民劇場では例の事件から『マドモアゼル・モーツァルト』をキャンセルにした経緯もあったとか

残念で仕方がない。...と過去のことを言っても仕方ない。

土居さんと畠中さんは『人形の家』で素晴らしい歌声を披露して下さった。

その上、東京で濱田めぐみさんがされた役を月影瞳さんが演じられるので咲妃、月影、仙名(敬称略)と元宝塚トップ娘役が並んでる。

井上芳雄さんに、吉野圭吾さんに、上原理生さんに、えーともう観るしかないメンバーばかり

しかも一度は行ってみたかった。新歌舞伎座。そして憧れの3階席。

歌舞伎座の3階席と言えば歌舞伎通のお席ってイメージがあって憧れてましたの。

ただ、よりによってシャボン玉で取らなくてもと思われるけど。取っちゃった。

こういう所は京都南座以来。さて行きますか。


え、ビ…ビルの中




 

演出 小林 香

原作 筒井広志「アルファ・ケンタウリからの客」

三浦悠介  井上芳雄

折口佳代  咲妃みゆ

テムキ   畠中 洋

マスター  吉野圭吾

春江    月影瞳

早瀬    上原理生

里美    仙名彩世

ミラ    内藤大希

和子    北川理恵

寺尾    大月さゆ

田中    川口大地

中田    横田剛基

オリー   松田未莉亜

刑事    早川一矢

警官    松野乃知

お静    相川 忍

小野源兵衛 井上一馬

清水    藤咲みどり

久保    照井裕隆

 

ピア    土居裕子

 

悠介はシャイで少し頼りない青年。

いつか作曲家として身を立てるという夢を志して懸命に努力していた。

ある日、デートの最中に悠介はスリを生業としている少女・佳代と遊園地の迷路で出会う。

デートは佳代のせいでめちゃくちゃにされてしまう。
施設から里親に育てられ、ひねくれて生きてきた佳代だったが、悠介と触れ合ううちに心を開き、佳代に忘れていた幼い頃からの夢を思い出させた。悠介は作曲家として認められ始め、佳代とも幸せな毎日を暮らしていたがある日…




 話は宇宙人が出てきたり、なんじゃこりゃと思ったりもするのだけど、「あぁ、大人の御伽話なんだ。」と思ったらスンナリ話に入れた。

純粋で鈍臭いぐらいいい人過ぎる悠介の芳雄さん。割とシビアな役ばかり観てたので、こんな芳雄さんも好き。

でもなんといってもビックリは佳代役の咲妃みゆさん。宝塚退団の『幕末太陽傳』の女郎の役はかなり気の強い役で、ヒロインがこんな役でいいの?と思いながらも気風のいい役でした。佳代はそれ以上、もうふっきれてました。そして、明るければ明るい程、佳代のこれでもかと言う哀しい境遇がグーンと辛い気持ちになります。

宇宙人の存在がこの話を現実的な世界から、夢のお話しに変えて行きます。

ピア土居さんミラ内藤さんテムキ畠中さん。

いいトリオでした。存在自体ありえないんだけど、いつの間にかみんなにとけこんでいる、不思議なブレンド(ブレンド)でした。

哀しいけれど、優しくて、辛いけれど、楽しくて、シャボン玉が運んだ物はいっぱいありました。

カーテンコールで土居さんが『ドリーム』の〽︎虹色の〜と歌われた時はじわーんときました。

この作品は音楽座の大切な財産。

作品は古くなってきているけど、これからも大切に演じられてゆくんでしょうね。

濱めぐさんがいないのは残念だったけど、吉野圭吾さんが月影さんと楽しそうに演じておられて嬉しかった。

ところで、もう一人ビックリさせられた仙名さん。悠介のデート相手の時はとくに何も思わなかったけど、ニュースキャスターには笑った。しかもここで出ているおばあちゃん達が、月影さん土居さん、相川さんの曲者揃い。それと張り合っていて面白かった。


帰り道、歌の一部をくちづさみつつ、晴れてた空を見上げました。