今回の旅行の本命、初台の新国立劇場へ
私の人生にも大変影響を与えた大好きな漫画家さんの作品舞台化

「怜々蒐集譚」キノドラマ

大正末期、文学盛んなりし頃。雪山で遭難した小説家、烏鷺公外の未発達原稿が、同業者である乙貝紅葉の家で発見された。かつて親友でありながら烏鷺に婚約者を奪われて以来訣別した筈の乙貝がなぜ…そしてその頃街に男を誘う焔をまとったような女が出現し夜の街を彷徨っていた。
この不可解な謎を挿絵画家の出泉と新人編集者南に歌舞伎役者葛葉が紐解いてゆく。

原作  石原理
脚本・演出 八鍬建之助

溝口琢矢  藤原祐規  味方良介  鯨井康介 瀬戸早妃
宮地花衣  野尻大介  岸博之 宮下舞花
相馬圭祐  相葉裕樹(声のみ)

原作を読み直してから観劇。
黒いセットに赤い紐が絡まるように張り巡らされていた。それが帝都に浮遊する人の思いなのか謎なのか?私には一瞬、誰かと誰かを繋ぐ赤い糸のようにも思え、太さではなくか細いながら強い物に見えた。
話は主にカフェ「書簡集」で行われる。
メインの3人が動きやすい。そしてここが物語の憩いの場にもなっている。女給さんが可愛くボーイさんとのやりとりも楽しい

最初役者さんを知った時、違うキャラ設定をしていたのでキャスト発表に少し戸惑いもあった。
が、話が始まると役者さん達がグイグイ引っ張っていき、これもアリだなと納得させられる。
「其は怜々の雪に舞い」と「狐火の女」のふたつの話を上手く繋げて話は烏鷺と乙貝の謎に迫ってゆく後半は引きづりこまれる。
南君、原作どおりに出泉に降り回される可哀想ででも愛すべきキャラ溝口さんにあってました。ストーリーテラーでもあり難しい役所でもありました。
出泉の藤原さん飄々としながら此処一番本領発揮に謎を解いていく。前の席だったので出泉が結構色んな表情をクルクルみせてくれていたのがわかった。そして声優さんでもあるからじゃなく声がいいですね。今回の役者陣はどなたも芸達者で声がいい。席が良すぎて全体像が見れなかったのが残念な位でした。
相馬さんエロいというより触れたら消えそうな儚い美しさを感じた。烏鷺に取りつかれた被害者のようで、自分からも切り離せれない特別な存在になったいる乙貝は切ない。魅力的でした。実際の石原キャラ乙貝はエロの塊で…ゴホゴホ
葛葉役の味方さん。私映像では藤原さんの次に多く観ている役者さんですが、こういう役どころも出来るんだなって思いました。出泉とは違う意味で曲者でおいしい役です。
歌舞伎の台詞良かったです。その台詞が義経千本桜に関わるモノだとすでに考察されておられる方がいらっしゃいます。詳しくはそちらでどうぞ。
五月楓 様
尚、原作では百は生きていて診療所の医師と一緒に暮らしています。

公美子役の瀬戸さん、原作より出番の多い役一つ
で、哀しい道具にされてしまいながら女としてのプライドを守り凛とした女性を演じてくださってた。
来島の鯨井さん。好きな俳優さんの1人です。
しかも公美子同様に膨らまされた役の一つです。吉乃に騙されながらも彼女に惹かれ追い求めてしまう。ここにも見えない赤い糸が繋がれてている。ほんと良かった。面白い人物像になってました。
死を前に嗚咽する吉乃の宮地花衣さん、哀しい人生を犬の百に語って聞かせ、その呪いにも近い言葉に百が男を惑わす。患者の死に立ち会わねばならない診療所の医師の岸さんもどちらも前に書いたとうり上手い役者さんですね。
原作ファンとしては、石原作品は実写にするとこう動くんだ。と、なんか不思議な気もしています。

キネマ「怜々蒐集譚」
原作 石原理
監督 武島銀雅
脚本 瀬桜奈和

相馬圭祐  相葉裕樹  溝口琢矢 藤原祐規 味方良介
鯨井康介 宮下舞花 野尻大介 鈴木ハルニ 伊藤亜斗武

大正時代は劇と映画を合わせやる事があった。ということから始まった連動企画
初めてのことでチョットどきどきだった。
世界観がどう変わるかわからなかったから。

キネマ、映画は烏鷺と乙貝の2人になにがあったのか親交があったあたりから遡って描かれていた。
とにかく映像も話も美しいです。脚本は原作にない話を埋めていく形で、オリジナルです。これは石原さん監修されたのかな?
キャラに関しては最初烏鷺にしては線が細く感じ、ミュージカルのイメージの強い相葉さんが、どんどん烏鷺に見えてきて、また、乙貝への情が深くて怖さにゾッとさせられた。
相馬さんをよく知らなかったのですが、子供達には相葉さん共々「シンケンジャー」で有名だったと知りました。そのせいか前半の仲のいい感じが自然でかつての2人もこうだったのかなと思ってみてました。
この作品を創った映像陣が海外人が多いのも驚きでそれくらい画面の日本家屋や庭も含め懐かしい物に見えた。



今回で終わりにしようと思った東京一人旅
貰ったチラシ見て観たいものいっぱい発見。
来年は思い切って大物ミュージカル見て観たいかも