念願のTRUMPシリーズ

『マリーゴールド』

観て来ました

やっと、やっと、末満健一作品初観劇です

 

で、その前に

TRUMPの世界感

 

この世界ではVAMP(吸血種)は動物を加工した特殊な血を摂取しており、

人間とは不可侵条約を結び棲み分けをしている。そして混血種のダンピールとも共存している。

吸血鬼は不老不死ではなく人間同様に死があり、その姿も生活も人間と同様で変わらない。

違いと言えば吸血鬼は嗅覚が強く血の匂いで人間を嗅ぎつける

マリーゴールドの時代では血液型から違いがわかった

吸血鬼に咬まれるとその体液に毒があり人間は死んでしまうがその毒性に耐えて吸血鬼化する者もいる

ダンピールは短命でそのほとんだが人間でいう思春期にあたる繭期を超えることが出来ないが

まれに長生きできる者もいる

 

繭期とは

VAMPやダンピールに起きる著しい情緒不安定な時期で、精神攪乱から幻覚や妄想に走るものも少なくない

特殊な能力に目覚める者イレギュラーもいるが、この時期人間との諍いを多く起こすため、

10代から30代の若者がクランという寄宿舎に一時的に収容され

保護・矯正・教育を行なわれ、社会へ出るための能力を培う

 

TRUE OF VAMP (TRUMP)

吸血鬼の始祖。始まりの吸血種。真なる吸血種

不老不死であり、かつて彼以外にも不老不死の吸血種が数多くいたが

人間との間に大きな戦いが起こり

彼を残してみんな消えたという伝説がある

 

ファルス

TRUMPより永遠の命を分け与えられた者が

FALSE OF VAMPと呼ばれていたという歴史的資料がある

 

原初信仰

TRUMPの存在を信じ、不老不死を求める思想。

生贄を奉げる過激な思想もあるため、社会の秩序を守るため

血盟法で厳しく禁じられている

裏ではすべての吸血種のイニシアチブの頂点にあるという

TRUMPの心の平穏を乱す因子として忌避されている

だが信奉者達は弾圧を受けながら信仰布教している

 

イニシアチブ

吸血種は咬んだ者と咬まれた者との間に強制的な絶対かつ主従関係が発生する。

イニシアチブを取られた側は行動・思考・記憶を支配され絶対服従となり

意思の強い者程強制力が強く細胞レベルまで影響する

一度発生したイニシアチブは消すことが出来ない

ただしすべての吸血種のイニシアチブの頂点はTRUMPにある

 

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ミュージカル MARIGOD

脚本・演出 末満健一

音楽     和田俊介

アナベル:壮一帆 ガーベラ:田村芽実 エリカ:愛加あゆ ヘンルーダ:吉野圭吾

コリウス:東啓介 ソフィ:三津谷亮 ウル:土屋神葉 ベンジャミン:宮川浩

 

25年前疑似クランに誘拐され逃げてきた少年がいた。ヤン・フラ。

なぜか彼の存在を血盟議会は消そうとし、彼は逃げ出しその後行方は知れなかった

 

ある町のマリーゴールドの花で埋もれる屋敷にアナベルとその娘が住んでいた

母は娘に希望というガーベラの花言葉を名につけ屋敷に閉じ込められようにして育ていた

吸血鬼と交わった化け物と忌み嫌われるアナベルとダンピールのガーベラ

彼女達を気にかけるのはアナベルの妹エリカと医者であり幼馴染であるヘンルーダだけだった

ダリ・デリコという2800年前に実在した吸血種の名をペンネームで『TRUMP』伝承の小説を

次々に世に出した彼女は非合法な手段で、吸血鬼の間で噂になっていた『繭期少年少女失踪事件』を

調べていた。それは人間とヴァンプの不可侵条約を超える行為で血盟警察が動き始めていた

そこへダリのファンだというソフィとウルという少年に出合う。

彼らはアナベルだけでなくガーベラにも興味を持つこっそり彼女にあった

2人はガーベラに「僕達のクランへ行こう」「永遠の繭期を生きよう」と声をかけ外へ連れ出してしまう

初めてみる街、しかしそこで事件がおきてしまう…

 

 

 

母親の愛は無償の愛。見返りを必ずしも求めているわけではない

ここにある愛は(末満さん曰く)致死量の愛

母が娘を命がけで守り。その愛を娘も真向から受け止めている姿は痛いくらい悲しい

マリーゴールドの花言葉は 絶望

 

ミュージカルというよりは音楽劇だと思った

それ程ストーリーの方が重たいのだ。

ファンの人が『アナ雪』だわと言ってたそうだけど

私がお留守番していた長女に言ったのは「金田一耕介」

一緒に観た次女が「納得」 長女「金田一は誰?」次女「観客」

このセリフが出たらその人は死ぬというのがあり予想していたのに大きく違った。

次女はビックリして逆に笑ってしまったらしい

またソフィとウルはシリーズでそれぞれ2人づついてどの時代をやるのかわからなかった

でもソフィー・アンダーソンと名乗ったところで、ウルあんた誰状態になり

死亡フラグたちまくっていたのが後半「お前かー」ときて、「やられた」と思った

 

単一の作品としてもかなりの作品だと思うがなんせTRUMPシリーズ

すべての作品が繋がっている

「今回は音楽中心で謎は少ない」なーんて言葉に騙されないとは思っていたけど

作品の中の謎は謎を呼び考察しまくる

この感覚かつて『ポーの一族』を年表にして考察していたのと同じ

しかもともに吸血鬼物

楽しい・・・

いや絶望劇に楽しいはおかしいかも

 

今回お芝居を色々観てきて初めての事を経験した

大千秋楽始まる前。普通ならざわざわする客席への着席が早く

3分前にはもう芝居が始まったような静けさになっていた

次々と浮かびあがっては消えるマリーゴールドの花々

長い緊張の時 こんな沈黙は知らない

そしてカーテンコール何度目かに舞台上の母娘がこの日だけの演出をおこなった

客席のあちこちから悲鳴のような声と共に嗚咽が響いた

舞台が終わって抱き合って泣いてる人や号泣している人

一番後ろだからよくわかる

人が泣いてると逆に泣けなくなる私も何度かうるっときたり鳥肌がたった

そしておそまつなことに翌日から涙が止まらない

オペラグラスで必死に見ていため目に化粧やばい菌が入り腫れたのだ

ノーメークにしておけばよかった