メルマガの詳細は、こちら をご覧下さい。



≪毎日がとにかくむなしくて≫


一昨日、無くなってしまったマフラーが、昨日の夜(というか、今
日の未明)、車の中から出てきて、ほっと一安心です。

ああいうものは、他の大きなものと一緒にしておかないと、ふとし
たすきに、単独行動でどこかへ紛れ込んでしまうものですね。


では、今日の備忘録です。


【今日の備忘録】
 
諸富祥彦『むなしさの心理学』から。
とても考えさせられる内容ですが、かなり長い引用ですので、何回
かに分けて紹介します。


--------------------

ある秋の日の午後、一人の女子学生が私のカウンセリング・ルーム
を訪れた。
私の講義を聴いていて、話をしたくなったのだという。

彼女の話はつまり、次のようなことだ。



「私は、何か特別な悩みがあるわけでもなければ、すぐに解決しなく
 てはならない問題を抱えているわけでもありません。だから本当は、
 ここに来る必要はないのかもしれない。けれど、毎日がとにかくむ
 なしくて、つまらなくて、たまらないんです。


 それを何とかしたいと思ってサークルに入ってみたり、友達と深夜
 まで遊んでみたり、やたらと勉強してみたりしたのだけれど、どれ
 もうまくいかない。


 その時々はもちろん、楽しくなったり充実した気持ちになることは
 あります。けれど、どれも瞬間的なもので、すぐに冷めてしまうん
 です。 」



私は最初、彼女はちょっとした孤独や寂しさを紛らわせたくて、こ
こに来たのだと思った。最近あまり面白いこともないし、この先生
まだ若いし気さくそうな人だから、ちょっと話をしてみよう。そん
な気持ちでいるのだと、やや気楽に構えて話を聴いていた。

けれど、どうやらそうでもなさそうなのである。

(つづく)