乳児院での2回の交流を受けて、今度は、けんた君と外出することになった。うちに招待するのだ。


今日はツレが仕事なので、俺一人で乳児院に向かった。

10時に到着し、スタッフさんから引き継ぎを受ける。


「すごく楽しみにしてましたよ」

と、けんた君が起きてからの様子を教えてくれた。


連れてこられたけんた君はテンションマックスで、

「はやくっ!はやくっ!」と俺の手を引く。


車に乗り込み、自分でシートベルトを締め、窓の外のスタッフさんに、

「バイバーイ!」

と手を振る。

不安とか無いんかな…


家までの道中

「いい天気だねぇ」

とか

「あ!公園あるよ!」

とか

「信号、赤になるよ」

とか、色々話を振ってくれる。


家で出迎えてくれた犬猫に少しビビっていたものの、すぐに慣れて、猫の方は何度も抱っこされて大変そう。


小物に興味津々で、一番引きが強かったのがコーヒーミル。重い金属製のタイプで、ハンドル回しもなかなか大変なのに、

「けん君がやってあげる!」

と、一人分の豆を挽き、更にポットの熱さに怯みながらも、ちゃんとコーヒーを淹れてくれた。


昼は、ツレが準備してくれていたおでん。

卵やこんにゃくを包丁でカットして、自分でもりつけて食べてもらった。


乳児院では、包丁はもちろん、はさみなどの刃物もなかなか触らせてもらえない。

それだけに、うちに来た時くらいは、さっきの熱いポットもだけど、危険なものもできるだけ触って欲しかった。


次は何をしようかと、目がキラキラしている。