大会は、近所の町同士のトーナメント戦だ。
結構みんな本気で、練習会は5回ほど開かれた。
俺ら家族以外の大人と接するケンタを見るのは新鮮だ。
児相のスタッフや学校の先生ではない、近所の大人たち。
騒ぐ子供達に声を荒げて注意したり、帽子を取らずに挨拶する子を叱ったり。
色んな人たちが、それぞれのやり方で子供と接している。
共通しているのは、子供たちを見つめる眼差しが優しいこと。自分の子供だけじゃなく、みんなを皆んなが見守っている。
試合はなかなか劣勢だった。
相手側のピッチャーは完封を目指していて、転がってくるボールには勢いがある。それでも、小さい子に対しては軽く転がしてくれたりと、なかなかのジェントルだ。
そんな中、ケンタがチョンと蹴り出したボールが守備を抜け、ケンタは出塁。その後もうまく打席が繋がり、なんとケンタはホームイン!
わが町の、唯一の得点になった。
ホームを踏んで、両手を挙げて喜ぶケンタを見ていると、子供会に入ってよかったなぁとしみじみ思う。
大会は午前中で終わったけど、子供達の熱は治らず、午後からはずっと公園で遊び回っていた。ケンタは家から水鉄砲を持ち出し、ビショビショになりながら笑い転げている。
日に焼けて、少し逞しくなったケンタを見て、来年もまた参加できますようにと願ってしまった。


