昨日の参観で、俺らがケンタに連れられて教室に入ると、周りの子供達が当然

「ケンタくんのお父さん?」

と質問してくる。


「うーん、まぁそんな感じ」

と俺が濁して答えていると、ケンタが

「違う!ジンベっていうんだよ!タニグチジンベ!」

とフルネームで訂正してきた。



NPOスタッフの佐々木さんは女性なので

「ケンタくんのお母さん?」

と質問されるが、やはりそこも

「違う!佐々木さんだよ!」

と譲らない。


更にオッサンが二人いるので園児たちは大混乱。

「えー、じゃあ、おじいちゃん?」

と聞かれ、軽くショックを受ける。

40代後半になり、オジチャンと呼ばれることには慣れたけど、おじいちゃんと言われたのは初めてだなぁ…


交流の時から思っていたけど、ケンタは決して俺のことをパパ扱いしない。周りの人が俺のことをパパとかお父さんと呼んでも、絶対に訂正を入れてくる。


パパやママという存在がケンタにとって特別で、代わりは無いんだということだろう。


ケンタのそういう姿勢を、頼もしく思う。

それは、いつかパパやママのもとに帰ろうという決意にも思えるから。