44日 大所高所から世の中を見る(  月  日)

 

世間の中で身を立てようとするなら、他の人よりも一歩だけ高い所に立っていないと、

あたかも塵の中で衣を振るい、泥の中で足を洗うようなもので、

振るえば振るうほど塵にまみれ、洗えば洗うほど泥がついてくる。

 

そのようなことではどうして塵や泥を超越することができようか。

 

また、人間が世の中で生きてゆく上にには、常に一歩だけ世間の人よりも退いていないと、

あたかも灯蛾が自らともしびに投じ、牡羊が垣根に角を突っこんでしまったようなもので、

灯蛾は焼け死に、牡羊は進退極まってしまう。

 

こんなことでは、どうして安楽に世を生きてゆくことができようか。