日本人と外国人の行動に於ける大きな違いは、
目的か手段かということです。
目的とは、
何のためにそれを行うのかということであり、
手段とは、
どのようにそれを行うのかということです。
この違いが、
対人関係や交渉の違いとして現れます。
日本人が交渉が下手なのは、
目的よりも手段を重視し、状況に応じた対応に終始するからです。
相手が、頑固で融通が利かないと、折れて譲歩し、
相手に合わせつつ自分の利も模索し対応することが多く、
これでは、相手の言いなりになってしまいます。
逆に相手が下手に出れば、横柄な態度を取るという愚かなこともします。
相手を騙したり策略を用いることも下手です。
信用と、正直で、いつも正々堂々とすることを旨とし、
逆に言えば、失敗した時の言い訳としているとも言えます。
悪いことではありませんが、これでは、交渉では勝てません。
特に、商取引や契約交渉や条約交渉などでは、綿密な計画を立て、決して譲歩しないという決意で臨む必要があります。
相手も同じ姿勢で臨んでいるのですから。
日本人は兎角、結果を求めすぎる欠点があります。
すべてが、納得行く迄「待てない」のです。
そのため、取り繕ってでも、結果を出すことを止むを得ないと考えるのです。
これでは、相手に足元を見られてしまいます。
外国人は、どんなことをしてでも目的を果たすことに集中するので、
妥協をすることは殆どなく、
交渉が上手く行かなければ、決裂になることも多いのです。
しかも、時間を掛けることを厭わないのです。
だが、外国人は”大人”です。
交渉が決裂したからと言って、”喧嘩”をしている訳ではないので、
交渉の席を離れれば、普通の付き合いが出来ます。
ところが、
日本人は、交渉が決裂すると、あたかも”喧嘩別れ”をしたかのように、
苛立って感情を抑えることが出来ず、
交渉が終わっても普通の付き合いが出来ないのです。
アメリカ人の強さは、常に目的を持って作戦を立てることです。
常に幾つかの選択肢を用意していて、相手の出方によって、
それを使い分け、自分に有利なように話を持って行くのです。
この点に関する能力と集中力は、日本人には敵いません。
日本人はその場凌ぎが少なくありません。
外国人は、常に”なぜ””何のために”を意識しているので、
その場凌ぎをすることは殆どありません。
残念ながら、
日本人は、平和で穏やかで知恵に満ちた国民でありながら、
外国との交渉でやられ、
感情的になったり、
パニックになり墓穴を掘る、
愚かなことが少なくないのです。