得意な技術にこだわり磨く | 少年サッカーよもやま話し

少年サッカーよもやま話し

とある少年サッカーチームに属するコーチの体験談。
いい意味でも悪い意味でも少年サッカーにおけるよもや話しをしていきます。

久しぶりの投稿になります。

最近忙しく、筆を取る暇さえなかったのですが、仕事も少し落ち着き、若干時間が出来たので、久しぶりに記事を書きたいと思います。


オリンピック始まりましたね。

各競技熱戦が繰り広げられています。

私も少々寝不足気味。

サッカーブログだからサッカーネタかと思いきや、本日は柔道の試合を取り上げたいと思います。


柔道女子48㎏級で角田夏実選手が金メダルを獲りました。

実に谷亮子以来20年振という事で、金を獲る事が難しい階級での制覇となりました。

この角田選手の得意技は巴投げと関節技という事で、結構珍しいタイプの選手です。


実をいうと私、サッカーと同じく柔道が好きなのですが(柔道だけでなく格闘技好き)、私自身社会人になってからひょんな事から柔道を始めまして、柔道歴は15年程になります。

息子がサッカーを始めた頃に同じくして、ボランティアコーチを始めた事から柔道の競技者を辞めたのですが、これでも柔道三段なんです。(得意技は一本背負いと出足払い)


そんな私が見た角田選手の試合。

強烈な巴投げと腕ひしぎ十字固めという関節技で、圧倒的な強さで勝ち上がり、金メダル獲得。

あの巴投げ、まさしく世界最強の技だと思います。

あれだけ美しい巴投げは初めて見ました。

巴が来るのがわかっていても防げない、最強の武器。

彼女は巴投げという技にこだわり、確固たる自信を持っているのが伺えました。


これまで、巴投げという技を磨きに磨き上げて最強の武器に仕立て上げたのでしょう。

なんてカッコいいのだろう。

自分の自信のある一つの武器にこだわり、最強に磨き上げる。

どれだけの時間を要したのでしょう。


柔道の試合で巴投げという技を使う頻度は多くありません。

どちらかというと珍しいです。

私自身も社会人の大会を含め、稽古でさえも巴投げを使った事はありません。

技の使い方はわかるのですが、実践しろと言われると出来ない。

そもそも巴投げが決まったとしても、そこから寝技に繋げるのが難しく、実践では捨て身技と言って使う事は稀だと思います。


また、角田選手は関節技を武器としています。

これもまた柔道で使う頻度は少ないです。

普通、投げ技で相手を投げた後、寝技に入るのですが、大体は抑え込む技を使います。

そこからわざわざ関節技に行く事はあまりありません。

もちろん、寝技の攻防の過程で関節を取る事はありますが、ハナから関節を極めに行く事はまあしません。


しかし、角田選手は巴投げで投げた後、寝技で抑え込む技に行かず、腕ひしぎ十字固めという関節技を極めに行ってます。

巴投げ→関節技、よほど自信のある投げからの連携技なのでしょう。


私はこの角田選手のように、一つの得意な技にこだわり、磨きに磨いて誰にも負けない最強の武器に仕立て上げるのに凄く魅力を感じています。

もうそれは誰にも真似出来ない、手の届かない、突出した技。

その技一つで世界と戦っていくと決意する。

自分にはこの技しかない。

この技で頂点を目指すんだ。

誰も届かない領域まで技を研ぎ澄ますんだ。

角田選手の巴投げには、そのような強い意志を感じました。


サッカーにも同じような事が言えると思います。

周りの選手より足が遅い、身体能力が劣る、ドリブルが出来ない、キックが上手くない等々。

しかし、これだけは誰にも負けないという得意技を持っていれば。

その得意技を磨きに磨いて誰にも手の届かない領域まで仕立てあげれば。

その技で世界と戦って行く事も出来るかも知れません。


苦手な技術を完璧にする事に時間を使うより、得意な技にこだわり、突き抜ける位磨くほうが世界はもっと広がる。