対面 | Echo de chouette

Echo de chouette

横山仁子の徒然日記です。
音楽の話・日々の気持ちを気ままに綴っていきます。


「たいめん」には、人が世間に対して持っている誇りや面目の"体面"と、顔を合わせて会うことの"対面"がある。一字違いだが、大きく意味が異なる。今日は、"対面"の方のお話。

学びを止めないために、レッスンをオンラインで続けてきたが、遂に対面の日を迎えた!
先日の東フィルの生演奏の喜びと同様、対面の嬉しさは、思い描いていた以上の感動でありました。

そこには、顔と顔を合わせた喜びだけではなく、タイムラグのない音の世界、その空間が生む響きを伴う音の世界、呼吸と共に微細な変化を生む音の世界との対面があり、この瞬間に存在するものへの愛おしさが沸沸とわき出した。
そんな確かに息衝く音の世界に身を置き、体と体の間にある空間が伝える感情を肌で感じながら、次に発する言葉を生む。
これこそ、音楽のレッスンに思う。

レッスンが終わり、楽譜を閉じようとすると、お隣の身体がムズムズし始めた。
何か弾きたくてたまらないのだろう。
悪戯顔をチラリと見せながら、ピアノを弾きだした。可愛い即興演奏者と鍵盤上のピンポン🏓。

もう言葉は、いらない。
ベースの音をクラシック調に、ジャズ調に、ボサノバ調に…と弾いてあげれば、大臀筋も揺らしながら、音の世界に没頭していく。
こんな時間も大切にしてあげられるのは、対面ができたから。

感染リスクへの対処を取り、安心・安全のもとで大らかに対面をし、この瞬間の音楽を味わっていきたい。

2020.6.26