もちろん、電圧以外の条件が同じならば、明るさは6Vだろうが12Vが35Wなので同じです。
でも実際は暗いのです、6Vの方が。
古い6Vの車両なのでリフレクターやレンズが劣化してるとかライト自体の口径が小さいとかそういうのもありますが、一番の原因は配線(回路全体)の抵抗が大きすぎるのですな。
24Vのトラックのバックランプってたしか35Wくらいなもんなんです。乗用車のバックランプも35W程度、どっちが明るいか?あんまり変わらないと思うのです、2倍も電圧高いのに。
これも同じような理由でトラックが24Vにしてる理由の一つです。
ちょっと35Wだと考えづらいので、丁度いい数字、12Wの電球があったと仮定して書いてみます。
W(ワット)とは仕事量のことで、電圧(V)×電流(Aアンペア)=W
となります。
12Vで12Wだとすると、電流は1A流れるのです。12×1=12W
6Vで12Wだと、2A流れます。6×2=12W
24Vで12Wならば、0.5A流れます。24×0.5=12W
なんと!同じ仕事量ならば、電圧(V)が大きいと電流は少なくていいのです!!
じゃあW(ワット)ってなによ??
それが抵抗なんですな。電球の中に入ってるフィラメントと呼ばれるものなんかがそれ。
これが最初の方で言った電気抵抗ってやつの話に戻るのだけれども、電気って水に似てるのです。電流は大きいと太い配線が必要になるのです。水もいっぱい流すならば太いホースが必要なように。
そしてバイクにはスイッチが付いてます。これがホースでいうと口を絞った状態なんです。ギボシやカプラーなんかもそう、ホースの径を絞ってしまってるのです。
実際6Vの車両は配線が比較的太く作ってあるのですが、それでも同じ仕事をさせるには断面積で2倍以上必要になってしまうんです。2倍じゃないのは配線が長いと、それも抵抗になってしまうのです。
そうなると、6ボルトっていう低い電圧がネックなんですね。配線もスイッチも、ギボシもカプラー接続も、そこで抵抗、仕事をしてしまってるのです。低電圧程、配線と接続に気を使わないといけないのです。
トラックなんかが24Vになってる理由もこれが大きいのです。高い電圧で長い車体にロスなく電気を流す工夫なのですなあ。
送電線ってあるじゃないですか、何万ボルトという高電圧で効率良く遠くに送るための工夫なのです。もし家庭で使う100Vで送電したら、とんでもなく太い配線で効率の悪い送電になるんでしょうな。
という事でね、発電所は都市部に作った方が効率がいいのです。安全なんですから、しらんけど。