著者 有吉佐和子

 

初出誌「文藝春秋」昭和51年

単行本「青い壺」昭和52年4月10日初版

2011年7月10日新装版第一刷

 

高度成長期を舞台に、砧青磁の経管の壺がたどる数奇な運命を描いた作品

 

こちらの作品は、有吉さんの作品ですし、内容からも、ド昭和の小説ですw

それが、なぜか、所謂”じわる”のですよ

 

2011年復刊されて、口コミで面白さが広がり、重版が続き、この半年だけで12万部、累計45万部を突破するベストセラーなのだそう

 

再ブームのきっかけは、原田ひ香さんの推薦帯

「こんな小説を書くのが私の夢です」だったとか

原田ひ香さんは、「三千円の使い方」や「財布は踊る」のベストセラー作家さん

 

青い壺が焼きあがる第一章から始まり、青い壺の数奇な運命が、13編の連作短編集で描かれます


もう、とっても面白いのです

昭和の時代の価値観、考えが随所に

それでも、ワタクシには理解できます

地方育ちのワタクシ、本家や分家の立場、家父長制の名残は、体に染みております

さらに、嫁姑関係、嫁の立場、姑の立場、親子の軋轢、母親のもどかしさ、妻の夫に対する愚痴など、人間関係のアレコレは、いつの世でも変わらないものですから

女子として、主婦として、妻として、母としての心のうちが、心の綾が、分かるのです

 

青い壺はいろいろな人の元へ

そして、いろいろなエピソードが描かれて、本当に「じわる」のです