著者 高瀬隼子
第167回芥川賞受賞作
心の中を、心の隅々を、あまりにも的確に表現していて、怖くなりました
あ~、そうそう、そうなのよって
人情の機微を文字に起こすと、こうなるのよね
筆致の巧みさに驚きました
ストーリーは、芥川賞にしては、わかりやすいものでした笑
ある会社の同僚、アラサー男女3人の人間模様
明確なラブストーリーではありません
かなり、屈折しています
蒲柳の質の先輩女性、芦川さん
ケーキ作りが得意で、主体性が無くて
彼女を、職場のみんなでカバーしていますw
彼女の後輩女性社員、押尾さんは、先輩の仕事の皺寄せを受けながら、結局、うっ憤がたまります
転勤してきた男性社員、二谷は、特に、積極的に芦川さんが好きなわけではないようですが、つき合い始め、結局結婚してしまいそうです
三人の視点で、食に関する考え方や、食にまつわるエピソードが語られます
ドキッとする視点や考え方を読みました
また、今の時代の職場は、こうな風なのね~と、理解しましたよ
たとえば、頭痛がして早退できる人
頭痛がしても、仕事を続け頑張る人
みんな違って、その多様性を受け入れなければならない社会
誰かが、しわ寄せを感じてしまう世の中でもあります