著者 町田そのこ
今どきの問題を各種はらんでいます
児童虐待、ネグレクト、LGBT、ヤングケアラー
現代社会を投影しています
主人公は二十代後半の女性
家族の愛に包まれた経験がありません
虐待され続け、やっと自由の身になれると思った18歳の年
今度は義父の介護を押し付けられます
どこにも自由はなく、そして、なおも続く虐待
その後、なんとか脱出しても、次は男に騙されて、、、
親身になってくれる身近な友の心に気づかず、その子の人生を狂わせてしまいます
とにかく
自分を責め、誰とも縁を切って暮らしたいと、海の見える片田舎の一軒家へと移り住みます
しかし、思い描いていたような、一人きりの暮らしはできません
なぜなら、田舎の人々の好奇の目にさらされてしまうから
そんな田舎の暮らしで、彼女は、自分と似たような境遇の子どもに出会い
彼女の生活は徐々に変化していきます
人との関わりを断ちたいとのぞんだ新生活
しかし、皮肉にも、知り合いを増やしながら、彼女は、抱え込んだ問題を相談しながら、助けてもらいながら、生きて行こうと舵を切ります
陰惨な過去から、希望の光が見える未来へ
やっぱり、人間って、一人では生きていけないのねと痛感しました
お節介も悪くないのねw
主人公を応援したくなりました
52ヘルツのクジラとは
世界で一番孤独なクジラ
他のクジラとは周波数が違うため、いくら大声を上げたとしても、他の大勢の仲間にはその声は届かない
2021年本屋大賞受賞作品