著者 伊吹有喜
盛岡の工芸品ホームスパンのこと
私は、まったく知りませんでした
まず、ネットで調べました
ホームスパン(語源・家庭で紡ぐ)とは、イギリス伝来の生地で、ツイードに似ています
画像お借りしました
さて、小説は、いろいろ問題のある家族の、軋轢、葛藤から始まり、家族再生する話です
東京に住む女子高生(主人公)が、いじめから不登校になり、祖父の住む盛岡へ家出
その祖父の元で、ホームスパンの修業を始めます
彼女は、教師をしている実直な母と折り合いがよくありません
母は母で、職場で窮地に立たされて、悩みを抱え参っています
父は、どうやらリストラされそうで、さらに、妻とも娘とも、距離感が掴めなくて、、、
さらに、父は、過去に、実父(主人公のおじいちゃん)と衝突し、絶縁状態
妻側の母親は、元教師
四角四面で、空気が読めない人です
かなり問題ありの家族です
主人公は、そんな家族と離れて、羊毛を紡ぎ、機織りを通じて自分探しを始めます
軋轢のあった父母とも、徐々に歩み寄り、、、
小説の中には、宮沢賢治の小説や、イギリスの児童書の中の表現が多用されて、色味や風合いを膨らませています
かなり興味をそそられました
また、かっこいい生き様の祖父の言葉が沁みました
「言はで思ふぞ、言ふにまされる」
言えないでいる相手を思う気持ちは、口に出して言うより強い
(和歌の下の句)