小さな食堂を経営していた母が亡くなったので
借家住まいをしていた私達夫婦が私の実家の
店舗兼用住宅(木造二階建)に引っ越すことに。
引っ越すと言っても当然、現状のままでは
食堂の備品や食器などに加えて祖母の代から
受け継いだ着物や服や家具など色んなモノが
そりゃーもう、てんこ盛りで残っています。
中には私の「宮参り」の時の着物なども。
それを片付けないと借家のモノが入りません。
私の祖母も母も、そして私も!
実はモノが捨てられないタイプです。
モノを捨てられない人間が三代続くと
どうなることか。
そりゃーもう、あーた。
ものすげーことになるんでごじゃります。
(ハクション大魔王降臨?)
実家はゴミ屋敷の一歩手前まで行きます。
ええ、そーです。メーター振り切って
行くとこまで行っちゃってます。
そして始まったのが
壮絶な断捨離の攻防でした。
これが世にいう
『断捨離の攻防~龍虎激突』
なのです(そんなの初めて聞いたで)。
モノが捨てられない人のことを
とっておきタイガー
と呼びます(命名は私)。
とっておきタイガーの思考回路
「いつか使うかも」
「思い出の品は捨てられない」
「とりあえず、とっておく」
とっておきタイガーの口癖
「それ、とっておきタイガー」
「これ、とっておきタイガー」
「あれも、これも、み〜んな、
とっておきタイガー」
そうやって家の中にモノが
どんどん増えていきます。
一方、バッサリ、ゴッソリ
モノを捨てられる人を
ステルスドラゴン
と呼びます(命名は私)。
どう見てもドラゴンの方が強そうです。
ステルスドラゴンの思考回路
「使わないモノは捨てる」
「思い出の品はいらない」
ステルスドラゴンの口癖
「それ、捨てるス」
「これも、捨てるス」
「あれも、これも、み~んな捨てるス」
ステルスドラゴンの
ステルス攻撃の威力は絶大で
片っ端からモノが捨てられていきます。
情け容赦なく、見境なく、凄い勢いです。
「まさか、アレも捨てるとは・・・」
血も涙もないのかというぐらいです。
実は私の妻がステルスドラゴンなんです。
生まれついてのステルスドラゴンか?
というぐらい捨てることに徹底しています。
ナチュラル・ボーン・ディスポーザリストです。
(ディスポーザリスト=処分業者)
そのステルスドラゴンの作業を横目で見ながら
とっておきタイガーは、とりあえず知らん顔。
あとでコッソリとゴミ袋をあさったり
山積みの処分品を再確認したりして
捨てられる運命だったモノを保護します。
(↑ それ、やったらアカンやつやん)
とっておきタイガーの習性は
モノを擬人化して感情移入すること。
「使ってあげればモノが喜ぶ」と。
それでも捨てられるモノには
感謝の気持ちを込めてお別れをします。
「いままで、本当にありがとう」
「ごめんね。ありがとね」
私の場合、最後に光明真言を三回唱えて
モノが金色の粒々になって空に飛んでいく
ようなイメージをします。
せめてもの気持ちです。
地区のゴミ捨て場でゴミ袋に手を合わせ
ブツブツと光明真言を唱えるオヤジって
ナウでヤングですよね
かなりヤバいですよね。
もちろん人知れずやります。
でも、本当に心から感謝しかないです。
私や両親や祖母、あるいはご先祖様達と
同じ家で毎日のように顔を合わせながら
色んな話を聞いたり、色んな顔を見たり
沢山の時間と空間を共有してきたモノ達。
やはり、それなりの時間の厚みがあるし
愛着も生じます。(すでに擬人化してる)
そうしたモノ達には、また姿を変えて
戻って来てほしいと思います。
できれば現金で(←現金な奴)。
実は、とっておきタイガーも分かってるんです。
「使わないモノは捨てないといけない」って。
「泣く子と地頭断捨離には勝てぬ」って。
「古い夢は置いて行くがいい」って。
でも、物言わぬモノ達の声なき声を聴くと
私のハートは、ちゅくちゅくしちゃうんです
(ほらまた擬人化してる)
(「銀河鉄道999」とか
「キューティーハニー」が入ってないか?)
さて、気を取り直して、ここで一曲。
ラジオネーム「とっておきタイガー」さんの
リクエストで、曲は山口百恵さんの
『夏ひらく青春』、断捨離バージョンです。
(え?急にラジオDJ?)
♪ひとつ増やす ひとつ減らす
捨離と言う名前の ゴミの処理
ひとつもらう ひとつ捨てる
めくるめく 掃除の中で
めぐり逢って 好きになって
許し合って 後で泣いた私
きっとゴミのせいね
後できっと 使うかもと
宝として ためこんでたモノが
家にあふれた
あなたに対して 憎しみは
ほんの少しも 感じてないけど
美しい想い出が 辛いの♪
おっと、ちょうど時間となりました。
断捨離と山口百恵と
タイガー&ドラゴン
今日はこのくらいで。
ここまで読んで、ようやく
意味不明な記事タイトルの
謎が分かるって話でやんす
不動君「貪瞋痴(とんじんち)も、断捨離しいや~」
うすさま君「護摩の炎で浄化しましょー」