肉親の最期の時

延命治療をする?しない?

あなたなら、どうする?

今回は私の体験談を紹介します。

 

 

2023年9月2日

午後7時頃、母の主治医から電話。

医師「喀血しました。すぐ来て下さい。

   どのくらいかかりますか?」

私「30分くらいです」

 

母の実家にいた私は伯父と二人で車を飛ばした。

 

しばらくして仕事帰りの妻から連絡。

妻「お義母さんが間に合わないって!

  お医者さんに連絡して!(涙声)」

 

私が運転中で電話に出ないため

医師が妻に連絡したらしい。

すぐ病院へ連絡して医師を呼び出した。

 

医師「とても間に合いそうにありません。

   気管挿管をしますか?」

私「いや・・・延命治療はしなくていいです」

 

 

延命治療をしない意思を医師に告げる。

そんな辛い役目を妻にさせる訳にはいかない。

その役は当然、一人息子の私が引き受けた。

 

 

医師との会話から約10分後。

駆け付けた病室に、母がいた

まだ、心電図は止まっていなかった。

まだ、命は尽きていなかった。

 

命のない遺体が「あった」ではなく

命のある母が「いた」。

 

 

私は手を握り、身元で叫んだ。

私「かあちゃん、来たで!!」

 

医師「間に合いそうになかったので

   心臓マッサージだけさせて頂きました」

 

少し遅れて伯父も到着した。

伯父も声をかけるが返事はない。

しばらくして、母は静かに息を引き取った。

 

 

 

いちおうの覚悟はしていたが、

まさか、「その瞬間」がこんなに早く

訪れるとは思いもよらなかった。

 

 

「延命治療をしない」意思表示をしたものの

いざ、その瞬間が訪れると精神的にキツい。

それでも決断をしなければならなかった。

なので、決断した。

 

 

母親の命を

自分の決断で断ち切る。

そういう選択だった。

 

 

 

私の母は79歳で肺がんのため急逝しました。

ステージ3の肺がんと医師に診断されてから

抗がん剤治療のため入院して2日目に亡くなりました。

 

9月11日に入院する予定でしたが

8月31日の夜に喀血したため病院へ。

その日は点滴のみで帰宅。

翌日、病院に再訪して主治医に判断を仰ぐと

即入院とのこと。

9月1日に入院、9月2日夜に再度喀血して急逝。

あっと言う間でした。

 

 

実は抗がん剤治療を始めるにあたり

主治医から喀血などで気管挿管を

しなければ呼吸が確保できない場合

どうするか聞かれました。

 

 

気管挿管をすると、いわゆる植物状態に

なってしまい、元通りに回復する見込みが

ほとんど無いとのこと。

 

人口呼吸器が動くので息はしているが

本人に意識はなく意思表示もできない。

それでもガンは進行して肉体を蝕んでいく。

 

そんなことは本人の意思に反するので

延命治療はしなくていいと答えました。

 

というのも、母は実母(私の祖母)の

最期を看取る時、病院から自宅に帰して

いよいよという時、私と母と主治医で立ち会い

一切の延命治療をしないまま看取りました。

享年92歳でした。

 

 

肉親の最期の時、延命治療をしない

という選択。それを毅然とやってのけた母でした。

その母にならい、私も母の延命治療を断りました。

 

 

 

それにしても・・・

いくらなんでも、ちょと気が早いやろ。

もう少し長く生きてくれると思っていました。

 

 

本人も、そのつもりだったようで

亡くなる日の昼頃、新しい乳液や手鏡、

病院内で移動する時の手提げ袋(100均)、

時間つぶしに動画を観るためのタブレットを

手渡したばかりでした。

 

タブレットを手にして

「あー、これこれ。これで時間がつぶれるわ」

と喜んでいた母。

 

その日の夜に命が尽きるとは・・・

 

 

何が正しい選択なのか・・・

そんなことは誰にも分からない。

 

 

自分の選択と決断に伴う責任は

すべて自分で引き受ける。

その覚悟を決めるしかない。

 

そういう体験でした。

 

誰かの参考になれば幸いです。

 

 

 

大分市 臨済寺(天台宗)の不動明王

 

大分県国東半島 熊野摩崖仏の不動明王

 

 

 

「十三仏(じゅうさんぶつ)」

私達の死後、順番に導いて下さる仏様です。

 

 

不動明王:初七日
人の煩悩を焼き払い、浄化して人を救われる

釈迦如来:二七日
仏教の開祖。人々を救う最高位の仏様。人々に悟りを開かせる

文殊菩薩:三七日
悟りを導くための智慧を与える

普賢菩薩:四七日
過去に犯した罪を消滅させて人々を救う。慈悲を司る菩薩

地蔵菩薩:五七日
痛みや苦しみを肩代わりし、人々を救済する

弥勒菩薩:六七日
遠い未来に人々を救うことが約束されている菩薩様

薬師如来:七七日
現世にやすらぎを与えてくれる。

観音菩薩:百か日
人々を救うために常に世を観ていて、救済してくれる仏様

勢至菩薩:一周忌
智慧の光で全てのものを照らし、迷いから人々を救う仏様

阿弥陀如来:三回忌
南無阿弥陀仏を唱える人々を必ず極楽浄土へ導く。

阿閃如来:七回忌
物事に動じず迷いに打ち勝つ強い心を授けてくれる。

大日如来:十三回忌
すべての仏の根源とされる仏様。

虚空蔵菩薩:三十三回忌
人々の願えを叶えるために知識を取り出し与えてくれる仏様。

 

 

<十三仏の参考サイト>

https://b.ceremore.jp/thirteen-buddhas-sagamiharahonten/