大分市の水分(ミクマリ)神社は
龍神を祀る神社です。
承安2(1172)年は5月中旬より降雨なく
田畑の作物が枯渇しようとする時、
6月11日の夜、高尾山に
不思議な火炎が見られました。
その光はさながら電光のようで、
里人は皆恐れて近よることが
出来ませんでした。
すると翌12日の深夜、里人の枕元に
出現して宣(ノタマ)わく
「吾は高尾山の中腹なる
四間四方の池に在り、春夏秋冬、
清水満溢(マンイツ、あふれるの意)して、
その余流は村内に注ぎ、
この池の中に鎮座する
龍神にして、その水中に
霊魂を込めた白石あり。
この玉石を速やかに取りあげ、
龍神として斎(イツ)き奉(マツ)れ。
然らばこの干魃を救い、
五穀を豊穣にして
国土を静穏ならしめん」
と宣(ノタマ)いて五体消え賜う。
要約すると
「池の中に白い石があるから
これを取りあげて龍神として奉れ。
そうすれば雨を降らして
五穀豊穣にしてあげよう」
とのお告げがあったので
池の底を探したら白い石を発見。
その石を奉り、みんなでお祈りすると
雨が降り出したということです。
西暦1172年は辰(たつ)年で干支は壬辰、
12世紀後半で時代は平安時代後期です。
6月11日と日付が明確なところに真実味が
あります。
この神社は小さいけど
とても清々しい雰囲気の神社です。
いつ訪れてもキレイに清掃されていて
地域住民に大切にされているようです。
個人的にお気に入りの神社で
近くを通ったら挨拶しに行きます。
そもそも神社の成り立ちからして
干魃で困っている里人を助けるために
動いてくれた優しい龍神です。
里人も初めのうちは
恐れおののいていたけど
お告げ通りにしたら本当に
雨が降ったということで
感謝とともに龍神を奉り
850年経った今でも神社を
大事に守って来ています。
龍神と人との心温まる
交流の歴史がそこにあります。
あまり人が来ないので、拝殿で
心静かに天津祝詞や龍神祝詞を
奏上したり、法楽として般若心経
を読み上げたりします。
すぐ近くにある龍神の池でも
同様にしています。
下の写真は拝殿の龍。
何度も参拝していますが
ある時ふと視線を感じて
見上げると龍の玉と目が
私の目に飛び込んで来ました。
なんと言うか、写真を撮るように
私の顔を玉に写した感じで、
「お前の顔を覚えておこう」と
言われた気がしました。
意識を持つ者の気配というか
存在感を感じた龍です。
いつもは濁っているのに
澄んだ水が満ち溢れていました。

八大龍王の鳥居が。

その奥に龍神の池。
濁っていたり澄んでいたり、
毎回違う顔を見せてくれます。

下の写真は
宮崎県高千穂の八大龍王水神。
龍神といえばこちらが有名ですが
私の場合、身近な龍神として
大分市の水分神社によく行きます。
あなたも「行きつけの龍神」を
見つけてみては?
(行きつけって何?)
境内の霊木。桜井識子さんによると
龍の波動をたっぷり受けた木で
神木ではなく霊木なのだそうです。













