少年サッカーコーチの一人言

少年サッカーコーチの一人言

コーチ歴8年目、弱小サッカー少年団に所属しているボランティアコーチの雑感や一人言。

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先日、久しぶりに教え子の親御さんから連絡があった。

何と教え子がU15の代表候補として、強化合宿に参加することになったとのこと。
小学生時代に、コーチに教えて頂いたお陰だとお世辞だがお礼を言われた。

何とも嬉しい知らせだ。

小学生の頃から自分に厳しく、がんばり屋だった。
上手くは無いが、強い子だった。ちなみに今も技術はそこまでない。

自分程度のコーチの言うことを真剣に聞いていた。

泣き虫で、勝っても泣くし、負けても泣くし、練習でも泣いていた。

まあそんだけ普段から本気でサッカーしていた証だ。

これからも一生懸命を続けろと言いたい。
まだまだコーチは負ける気しないぞ。俺より上手くなれ。

何て言うが高いレベルで切磋琢磨を続けていけば、すぐに越されそうだ。それはそれで悔しいが嬉しい。

その子を見ていて思うが、やはり今の日本サッカーに足りてないのは強さだと思う。
上手いけど強くない。そんな子がたくさんいる。

強い子は負けない。負けたくないと思う。そんな気持ちはチーム全体に反映される。
所謂、勝者のメンタリティというやつだ。

日本サッカーに最も足りていない要素。

思えばその子に対しては、小学生時代で一度も褒めたことがない。褒める代わりに次々に課題を与えた。

技術的な課題ではなく、思考的課題をよく与えた。

強さというのは生来の素養が大きなウェイトを占めるが、本人次第でどうにでもなったりする。

強さを身に付けるには技術的な練習でなく、思考的な訓練の方が効果的だと考えている。
柔軟な思考力を身に付け、様々な価値観に触れ、それを己の行動に活かせるようになれば、強さというのは養われていくと思う。

この点で言えば、モチベーションの心理学などを応用しながら、できる限り本人は無意識くらいで意識改革していくのが良いと思う。意識させると気負わせてしまう。

子どもへの動機付けについては、過去の偉人の少年期における成長の転換点や、弱肉強食の時代の思想を書籍などを通じて基礎知識として記憶しているのが、結構役に立っていたりする。

プラトンの国家、マキャベリの君主論、渋沢栄一の論語と算盤
指導者は哲学読んどくと以外とためになる。
サッカー関係ない。

それにしても、あんなに褒めたことがないのに、よくもまあ小学生時代は懐いてくれたものだ。

こういったことがあるからコーチやめられないんだなー。

また今週もクソガキ達の相手に週末を捧げよう。


結局指導者は、上手い子の方が教えていて楽しい、そっちの育成に力を入れるあまり、まだ技術面や精神面で成長していない子の育成を蔑ろにしてしまう。

みたいな意見をブログで散見する。

主に親目線のブログに多いと思う。

コーチ目線から言わせてもらうと、ありえない話だとしか言いようがないなー

教えるにあたって、子供一人一人に平等な時間で接してあげることは不可能だ。結局どこかに比重が偏る。
それはほとんどが底上げだと思う。

サッカー少年団において、一番割を食っているのは、精神的にも自立できていて、自分で努力することが出来る子だ。
何故ならその子は放っておいても成長するから、何か一言言えば、課題として自ら取り組んでくれるから。
コーチはそれが出来ない子達に、かかりきりになったりする。そもそもサッカーがそこまで好きでもない子とかもいるし、そういった子にはまずは信頼関係を築くところからのスタートになる。それでサッカーを好きになってもらわないといけない。

これは各家庭の教育の質の問題だと思う。
サッカーが好き、人の話を聞ける、努力できる、こういった要素をチームに入る前から子供に身に付けさせいる親もいれば
挨拶が出来ない、人の話を聞けない、すぐ人をバカにする、この状態で入れてくる親もいる。

後者の方がまず間違いなく手間がかかる、この状態でチームに入れる親は、場合によってはチームに子供の人格形成を期待していることもある。
出来ればそれは家でやってほしいが、、、

こっちはサッカーを教えたいのに、あっちはサッカーを教えてもらう場所だと思っていない。
底上げはサッカーにたどり着くまでが果てしない。
教える側と教えられる側、お互いが立場を理解していないといけない。これは学校だって一緒だろう。

サッカーは集団スポーツだから、誰か一人秀でていれば良い訳ではない。
だから、底上げはやらないわけにはいかない。
全員が、サッカーを習うという目的意識を持たなければいけない。ここは託児所じゃないんだから、、


だから、どんな子でも、サッカーが好きになるよう根気をもって接していくわけ

コーチや大人に暴言を吐く、サッカーと関係ないケンカをする、物を大事にしない、イジメをする、自分より下だと思う子には偉そうにする、すぐ泣く、

正直、サッカーでなかったら絶対に関わりたくないクソガキ達だ。

けど、その子が心を開いてくれるまでは、とことんコミュニケーションをとる。何年だって根気よく待つ。
こういった子達はまずは信頼関係を築かないと、なに練習しても無駄、だから底上げは大変。

うちの子は、全然かまってもらえないから上手くならない。そんなことありませんよ、めちゃくちゃかまってますよ。
まずはサッカーを好きになって、楽しいと思えるようにならないといけないから、そのスタート地点に立たせるために、悪戦苦闘しながら信頼関係を築いてますよ。



たまに、本当にたまにだけど、

 

「リフティングなんて出来てもサッカー上手くならないから意味ない」と言う子供がいる。

 

中々子供の意見でそこまで言える子はいない。経験上、ほとんど親の受け売り。

 

まあ確かにリフティングなんてする必要ないくらい日頃ボール触ってれば必要ないね。

 

ただそんなこと言う子で上手かった子を見たことない。本当親のそういった変な摺り込みだけは勘弁してほしい。

 

自分は子供にがっつりリフティングさせる。テストもする。

 

リフティングがそのままサッカーの上手さに比例するわけではない。

ただリフティングは数字でその成果が見える。これが良い。

 

子供は自分の練習の成果を数字で確認できる。それによって目標が明確になり易い。10回出来たら次は50回みたいな

 

そして気づいたら100回超えてる。この成功体験を他のドリブルやキックといった技術に活かしてもらうと、普通に基礎を教えるより上達が早まる。

 

あとこれは自論だが、単純に統計として

  • リフティングが100回以上出来る子供が11人集まった集団
  • 10回も出来ない子供が11人集まった集団

これがサッカーの試合をしたとする。

 

まずほぼ100%、100回以上リフティングが出来る集団が勝つ。そう自分は確信してる。

 

それなら、自分の教え子は上手い集団の方に入れておいてやりたい。

 

上手くなるにはボールに触りまくるしかない。正直上手くなろうとも思ってない子が、自主的にボール触るなんてありえない。

 

だったらリフティングにテストも設けて意地でも触らす。今時流行らない半強制だ。

 

日頃モチベーションを上げてやるための声掛けやコミュニケーションは大切にしているが、それで自主性に期待するというのは、結果を放棄するのと一緒じゃないかな。

 

自分が教えてる子は、時には半強制でも上手くする。意地でも上手くする。そしてサッカー嫌いにもさせない。大好きにさせて生涯スポーツにさせる。

 

正直しんどいけどやれる限りは続けたい

サッカーは競技だ。

勝ちと負けがあり、その中で子供は成長する。勝ち負けが全てとは言わないが、成長する大きなきっかけを与える一番の動機だ。

少なくとも、個人的にはそう思っている。

そんな中で、よく問題になるのが子供の出場時間。

競技という性質上、全員に同じ出場時間が与えられるということはあり得ない。

フォーメーションや戦術上なんかの要素もあるけど、結果として上手い子の方が、出場時間が長くなる。

それでもウチのチームはできる限り全員に出場機会を与えて、出場時間もできる限り均等にしている。

良いか悪いかはともかく、自分が子供の頃は下手なだけで練習試合にも出れなかった。だからアホみたいに練習した。

そんな時代と比較すると、今は全体的に良くなったのだろうと思う。

ただ、唯一割を食ってるのが、上手い子だ。

チームの誰よりも練習して、誰よりも努力している子が、誰よりも練習せずに、努力もしない子と同じ出場時間。

そして他の子が出場するよりも、自分が出場した方がチームに貢献出来るのも分かってる。
これは自惚れじゃない。努力した結果としての自信だ。

ベンチではフィールドのプレーヤーに向かってポジティブな声出しを続ける。

こういった子は正直不憫に思う。だから自分はそんな子がいたら、必ず他のレベルの高いクラブチームに行くことを視野に入れさせる。

正直自分のチームの勝ち負けなんて、そういった意識の高い子の将来と比べたら、どうでもいい。

他のクラブチームを紹介した結果、そっちに移ったらそれはそれで良いこと。
下手な子は、出場時間が増えて、試合慣れできる。上手い子は意識の高い集団で切磋琢磨できる。

それが一番良いと思うんだが、中には

「このチームが好きだから」

と言って残り続ける子もいる。

こういった子は基本的に優しい子が多い。

出場時間を均等にすることで、多分一番割を食うのがこの種の子。

そういった子達がウチのチームでも少しは成長出来るよう、日々技術だけは失わないようにしてる。
「俺より上手くなれ」そう言ってる。

出場時間を均等にして、且つ全員の成長にもプラスに働く。

こうなるのが一番だろうけど、結局は理想論かなー
コーチ始めて8年目にもなると、最初の教え子はもう高校生になっていたりする。

中には、J1クラブのユースチームに入って、海外遠征だのしたりと、自分の学生時代よりよっぽど良い経験してる子もいる。

背も伸びるし、体重も増える、テクニックも上達してる。

そんな子達が暇を見つけて顔を出してくれる時は、大ゲームなんかして成長をたしかめる(もちろんガチンコ)

ただ、もういい年のおっさんなのに、自分の教え子には絶対に負けたくないと、いつも思う。

だからおっさんだけど、最低でも週4回は自主練してテクニックだけは落とさないようにしてる。

今のところはまだ負けてない。けどこっちの体力は年と共に間違いなく落ちていく、、、

負けたくないけど、自分なんかすぐに越えて、更に高みを目指す教え子が出てきたら、感無量だろうなー

まあ負けないけど。