「シチリア・サマー」

 

 

 

 

ゴッドファーザーで有名な

イタリアのシチリア島で1980年に

実際に起きた「ジャッレ事件」を基にした映画

 

 

1982年

ハンサムな二人の男の子

ニーノ16才とジャンニ17才

 

お互いこんなにおきれいならば

そら、恋にも落ちるであろう

 

ジャンニは

矯正施設に入っていた

今は義父の修理工場を手伝っている

母は帰ってきたジャンニに食事の用意をする

 

*結構衝撃だったシーン*

 

疲れた感じのお母さんが

肉かなんかの缶詰を

パカッと開けて

フォークでかき出し

ツルンと皿にあけ

「レモンを絞る?」

と声をかける

 

脂肪が白く固まって

肉を覆っている

黙って食べるジャンニ

 

お母さんは疲れている

 

 

ニーノは

家族に囲まれ

花火職人の父の後継ぎとして信頼されている

料理自慢の母、自分の後をくっついて離れないおいっこ

おなかの大きな姉、トレーラーハウスに住む叔父

食事は外のテーブルでワイワイと食べる

 

住む環境がかなり違う二人が

バイク事故で出会う

 

自立したいジャンニは仕事を探すが

なかなかうまくいかない

 

ニーノの後押しで

父の代理で

花火の仕事を手伝うことに

 

急接近した二人が

恋人たちのようにふるまうところを

町の人が見かける

 

空気が変わる

 

暴力によって

引き離される二人

 

ジャンニは激しい暴力に傷つき

諦めの表情で部屋に閉じこもる

 

ニーノは「恥」を恐れる父親から責められ

その場逃れの嘘をつく

 

ニーノの叔父が

こっそりと話しかける

 

おじさんはトレーラーに住んでて

誰かしら女や男の友達が来てる

ニーノのお父さんもお母さんも

家族みんな

おじさんのことは知ってるつもり

 

でも

おじさんが夜 

何をしているか何をしていないのか

本当のことはみんな知らない

想像はできても確証がないから

 

うん?

何をしているか何をしていないのか?

 

あ、おじさんもそうなのか?

今まで誰からも疑われずに

過ごしてきたんだろうか

 

 

「怖がらなくていい」

とニーノに処世術を教える

 

「秘めごとにしていれば

100年だって続けられる」

 

ジャンニをいたぶる若者たちの中に

顔を曇らせた直後作り笑いを浮かべる子や

陰でジャンニに言い寄る和風な顔立ちのおにいさん

秘密に過ごしていそうな面々がちらほらいる

 

でも

ニーノはそうしなかった

ワールドサッカー勝利でにぎわう街中で

ジャンニを誘いバイクに二人乗り

人波を駆け抜けていく

 

秘密に人生を送るなんて

いやだったのね

 

夏の光を浴びながら

冷たそうな水辺で泳ぎ

手をつないで眠る二人

 

かすかな二つの銃声で

映画が終わる

 

 

 

現実のその事件は

犯人が見つからないまま

捜査が打ち切りになり

例え 誰かが犯人を

知っていたとしても

誰もが口を閉ざしているそう

 

 

 

この事件から2か月後

イタリアで初のLGBT人権擁護団体「Arcigay」が

設立されたんだって wiki

 

ARCIGAYの旗

 

 

もっと早くできていれば

二人がシチリア島から脱出する手助けをしてくれてたかな?

 

 

 

 


 

 

 

ちゃらんぽらんのようで色々考えてたおじさん:チッチョ