第68回百万石賞 ナミダノキスもう一度! | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

こんにちは、泉です。

金沢競馬は市営第一回の開催が終了。

 

この開催では金沢競馬で今年最初の新馬戦が

6/8に行われました。

優勝したのはリュウノタイタン

関係者の皆様おめでとうございます!

900mの勝ち時計は55.8で2着に大差をつけての圧勝でした。

今後の活躍に期待です。

 

 

同じ6/8には上半期の大一番・百万石賞が行われました。

1番人気は前哨戦の利家盃を制したマンガン。

続いて2番人気が昨年のダービー馬ナミダノキス。

昨年末の中日杯を制したマリンデュンデュンが3番人気で

レースを迎えました。

 

 

まずはスタートから迷いなくマリンデュンデュンが

ハナを切っていきます。前走で控える競馬を試したものの

あまりいい結果ではなかったこともあってか今回はハナへ。

 

これにウェザーコック、イルミネーター、リケアマロンが

続いてマンガンはその後ろの位置取りに。

ナミダノキスは後方の一角につけました。

 

快調に飛ばすマリンデュンデュンをめぐって

マンガンは向正面で前走同様中島騎手の手がグイグイ動いて

前を追います。ナミダノキスも前走ではあまり上がって

いけなかった印象から一変。外からスーッとポジションを

上げていきました。

 

しかし3コーナーではマリンデュンデュンがスピードアップ。

後続を3馬身位離して振り切りにかかります。

この時点では利家盃と同様、あるいはそれよりも順調に

逃げ脚を伸ばしていたようにも感じました。

 

しかし4コーナーで後続が迫ってきます。

ウェザーコック、ナミダノキス、マンガン、ダイヤモンドライン

この4頭がマリンデュンデュンに並び、5頭がズラリと広がって

直線を迎えました。

 

余力の無くなったマリンデュンデュンをかわして

まずはウェザーコックが前に出ようとしますが

すかさず外からナミダノキスが脚を伸ばして先頭に。

やや劣勢にも見えたマンガンでしたが、さすがの底力で

内から脚を伸ばします。

ウェザーコックもなんとか粘って3番手。

 

ただ、この日のナミダノキスは今年に入ってからの

ナミダノキスとは一味違いました。

さらに脚を伸ばしてマンガンを寄せ付けません。

最後は2馬身半の差をつけてゴール。

上半期の大一番を制したのはナミダノキス!

関係者の皆様おめでとうございます!

 

柴田勇真騎手コメント

 

「せっかくいただいたチャンスなのでしっかりモノにしたい

勝ち取りたいと思いました。

 

(道中のポジションは)もう少し前の位置につけたかったの

ですが、馬はこの位置で気分良くいけているという意思を

感じたので、そこでじっと我慢しました。

 

(動くタイミングは)予定通り1コーナー辺りから馬に

そろそろ行くぞ、と。反応を見ながら仕掛けたのでバッチリ

だったと思います。

 

(4コーナーでは横に広がったが)まだいっぱいいっぱいという

感じではなかったので、もうひと踏ん張りしてくれるだろうと

気持ちには余裕がありました。

 

(ナミダノキスにはどういう言葉を)ありがとう。

ナミダノキス、もう一度ありがとう、と(笑)

 

今日は応援ありがとうございました。

これからもナミダノキスと頑張るので

応援よろしくお願いします。」

 

後日柴田騎手に伺うと

 

「気持ちの問題だと思いますが、馬は今年に入ってから

あまり良くなかった。前回の追い切りに乗ったんですが

正直良い感触ではなかったです。それがこの1か月で

変わりました。厩務員さんの立て直しのおかげです。

 

今回は追い切りに乗った訳ではないのでハッキリとは

分かりませんでしたが、普段の調教でも良くなっている

感じがありました。」

 

とのことで、ナミダノキスがもう一度輝きを取り戻した

裏には厩務員の方の尽力があったと教えてくれました。

金沢のダービー馬ですからこの先も何度も輝いてもらいたい

と思います。

 

 

前哨戦を制したマンガンは2着。中島騎手は

 

「少し壁が厚かったですね。とにかく道中は離されないように

追って、3コーナー辺りではナミダの後ろからさらに外

というのはさすがに自信がなかったので内から行ったんですが

反応を考えると、もしかしたら外に切り返せばもっと際どかった

かもしれません。そういう意味では収穫のあったレースでした。

 

いずれにしろあの状態から2着まで来るというのは強いですよ

力がある。」

 

とマンガンの力量を再評価。マンガンも金沢移籍で

輝きを取り戻した馬ですから、今後に期待です。

 

3着はウェザーコック。栗原騎手は

 

「控えた競馬もできると分かっていたので、堀場先生とも

話して任せてもらいました。マリンとケンカしないように

プラン通りで。4コーナーでは夢を見ましたけどね・・・」

 

と狙った競馬はできたようで、金沢の上位戦線を

今後も賑わせてくれそうです。

 

4着には逃げたマリンデュンデュン。松戸騎手は

 

「前走で控えて良いところが出ないと分かったので

今回はハナに。

この馬はただの逃げ馬じゃない難しさがあるんですよね。

今回は3コーナーから4コーナーでもう一段ギアが

上がらなかった。」

 

と敗因を教えてくれました。しかし、いつかまたあの中日杯で

見せたような素晴らしい逃げを見せてくれるはずです。

 

5着はダイヤモンドライン。大川アナの取材によると吉田騎手は

 

「距離が長いのはあってると思います。勝負所で上がっていく

時は良い手応えだったが最後は止まってしまいました。」

 

とのことだそうです。いつも堅実なダイヤモンドライン。

まだまだ楽しませてくれそうですね。

 

 

金沢競馬は上半期、古馬の大一番・百万石賞が終わりましたが

次週は3歳一生一度の夢、石川優駿です。

既に出走馬が発表されています(こちら

 

ぜひ次週も金沢競馬お楽しみください。