女帝、重賞最多勝記録に並ぶ | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

金沢競馬は県営第15回開催が終了しました。

 

3日(日曜日)には、金沢競馬の一年を締めくくる大一番・第59回中日杯がおこなわれました。

 

 

12月の金沢らしい空模様、ということはつまり降ったり照ったりで風も強い、あいにくのお天気の中、金沢競馬・中長距離路線のフルメンバーが顔をそろえての一戦となりました。

 

もっとも、毎年この時期に実施される中日杯は、1990年を最後に良馬場でおこなわれたことはなく、今年で33年連続の重または不良馬場。今年も中日杯らしい馬場コンディションだったと言えます。

 

 

負傷などで休養中の騎手が多いところへ先週藤田騎手が引退し、ジョッキーが少ない現在の金沢競馬。

今回の中日杯では有力馬の鞍上配置がどうなるか、興味津々で枠順決定をお待ちになった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

女帝・ハクサンアマゾネスには堀場裕充騎手

 

地元負けなしのショウガタップリは青柳正義騎手

 

笠松遠征で重賞勝ちのトランスナショナルには愛知の岡部誠騎手

 

さらに船橋の澤田龍哉騎手がサンレイファイトに、兵庫の下原理騎手がセブンダートオーの鞍上に招聘されました。

 

 

 

勝ったのはハクサンアマゾネス。

その強さを皆さま、どうご覧になりましたでしょうか?

 

 

(第59回中日杯制覇 ハクサンアマゾネス 写真提供:クシマデザインさま)

 

 

地元金沢のみならず遠征先でもその強さを発揮し続け、獲得した重賞タイトルはここまで19。カツゲキキトキト(現役 10歳)の持つ重賞20勝の記録まであと1つと迫り、陣営も力が入るところでしたが、見事に人気にこたえて重賞20勝目をあげ、地方競馬史にその名を刻むこととなりました。

 

 

(誇らしげに優勝レイを肩に  コレを20枚、集めたわけです)

 

 

2着テトラルキア、3着セブンダートオーはいずれも今年JRAから金沢へ移籍し、ハクサンアマゾネスとは初顔合わせの面々。

 

同じく初顔合わせだった3歳馬・ショウガタップリは道中追い上げるもしまい伸びず、6着と敗れました。

 

 

 

 

ハクサンアマゾネスについては、「今年いっぱいで引退」という報道がなされるなど、その去就が注目されていました。その点について管理する加藤和義調教師に聞くと、

 

 

「引退のタイミングを模索しているのは事実だけど、引退と言ったことはないし、現在の元気な状態が続けば来年度も現役を続ける可能性は大いにある」

 

 

とのことでした。

 

 

(負傷休養中の吉原寛人騎手=左 も参加しての口取り)

 

 

今回手綱をとった堀場裕充騎手は、

 

 

「ホッとしたのが大きいですね。

 

地方記録がかかってましたし、先生もそれが目標だっただろうし、そういう意味では緊張はしました。

 

吉原騎手がケガで乗れないとなった時に、吉原くん自身からLINEがきて、『堀場さんで記録達成!』って応援してくれたんですよ。

プレッシャーかけるというより、応援ね。

 

最初吉原騎手がケガしてから中日杯までは1ヶ月あったし、先生からは、中日杯で任せるかどうかは半々くらいかな?と言われて、自分もきっと吉原くんが間に合うと思ってたんですよ。

 

元々、吉原くんが遠征で金沢にいない時はこの馬の調教に乗ってましたから。けっこう乗りました。吉原くんの次にまたいでるんじゃないかな。だから知らない馬というわけではないんです。

 

そういうわけで、もし吉原くんが乗れなければボクが、という状況ではあったんですが、正式には一週間くらい前に、吉原くん無理だから頼む、と先生から言われました。

 

 

金沢の最強馬だし記録もかかってるし、パドックで乗る前のほうが緊張してたかも。実際乗ったらね、馬が賢くて、何も悪いことしないし、落ち着いて乗れましたよ。

 

 

スタートはポカすることもある馬だし、1枠だから出遅れるとリカバリーが難しいかもと思ってたんです。

それがスタートを上手く決めてくれて、これで思ったとおり競馬できるなと思いました。

 

リズムよく行けば、何番手からでもいいと思ってました。だからサエチに先頭行かれましたけど、冷静に乗れましたよ。

 

吉原くんにもアドバイスもらってたしね。『溜めて切れるというより、速いラップをタンタンタンと刻んで行く馬』って。スピードは出るけど、並んで切れ味勝負になると去年のヴェノムに負けたみたいなことになるのがイヤなので、3コーナーから踏んで行って…向こう正面である程度踏んで行ったんですけどね。

直線入るときにはセーフティーリードとって、というカタチですね」

 

 

堀場騎手は、今回が13年ぶりの重賞制覇

喜びも大きいのでは?と思い、そのあたりを聞いてみても、

 

 

「とにかくホッとしました」

 

 

と言うばかりで、自身の久々重賞制覇の感慨については、

 

 

「それは特にはないですね」

 

 

と飄々たるものでした。

 

 

ハクサンアマゾネスは重賞20勝目。

カツゲキキトキトの持つ記録に並んだわけですが、カツゲキキトキト(繰り返しますが、現役)が8歳の1月に20個目のタイトルをゲットしたことを思うと、ハクサンアマゾネスの偉大さが一層際立ちます。

 

 

堀場騎手も

 

 

「単独トップになるところを見たい」

 

 

と言っていることですし、ぜひとも記録更新をねらってほしいところです。

 

 

 

 

ところで冒頭に「金沢競馬の一年を締めくくる大一番」と書きましたが、今年は年内にもう一つ重賞が残っています!

金沢競馬場移転50周年を記念し、12月27日に重賞競走として「ファンセレクトカップ」というレースがおこなわれるのです。

 

出走馬はファン投票などで選ばれます(すでに投票は締め切られました)。

 

 

ということで、重賞日に放送している「モーニングジョッキープレミアムワン」も、年内あと1回、27日にも放映されます!

 

 

(写真は中日杯当日のもの。この日のゲストは青柳正義騎手でした)

 

 

27日のゲストは13年ぶり重賞制覇の堀場裕充騎手です!

 

 

 

 

(表彰式でインタビューにこたえる堀場騎手)

 

 

堀場騎手への質問を受け付けていますので、金沢競馬公式X(旧ツイッター) @kanazawa_keiba や場内意見箱などへ、どしどしお寄せください!

 

 

 

今年の金沢競馬も残すところあと8開催日。

ラストスパートにぜひご参加ください!!