甥っ子と伯父さんの邂逅? ~コスモボンバルダとドリームシグナル~ | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

金沢競馬は県営第13回開催が終了しました。
 
 

再三触れてきたとおり、北陸地方と関東地方をむすぶ北陸新幹線は、先の台風19号により大きな被害を受け、2週間ほど、北陸=関東間の直通運転を取りやめていました。
 
 
が、10月25日に全線開通、直通運転を再開!

 
 
われわれ金沢競馬実況陣も、北陸新幹線一本で金沢入りすることができました。本当にありがたいことです。
 
 
 
 
 
 
 
季節は着実に進み、金沢競馬場周辺ではイチョウも色づきはじめました。
 
 
見ごろは…11月頭くらいでしょうか?
 

 
 
 
ところで。
開催3日目の日曜日(27日)第4レースに出走した、JRAから移籍初戦のコスモボンバルダ(3番人気・10着)。
 

 
金沢競馬の専門紙には、こうした転入初戦の馬について、競走歴や血統背景をくわしく紹介してくれるありがたいコーナーがあります。

 
 
コスモボンバルダの転入馬紹介コーナーを見ると、

 
 
「母の全兄・ドリームシグナル(シンザン記念1着)」

 
 
とあるではないですか。
 

 
 
以前ここでもご紹介しましたが、JRA重賞・シンザン記念(G III)優勝馬のドリームシグナルは、現在、金沢競馬場にほど近い金沢乗馬倶楽部(石川県馬事振興協会)で乗馬として活動しながら、金沢競馬場の誘導馬としても活躍しています。
 
 
 
つまり、このコスモボンバルダ号は、金沢競馬誘導馬・ドリームシグナル号の甥っ子にあたるわけです。
 
 
 
コスモボンバルダ
 
父:ゴールドシップ
母:マイネマキアージュ
 母の母:ダイイチアピール
(この馬のお祖母さんがダイナフエアリーです!)
 
 
 

ダイイチアピールの4番目の子どもがドリームシグナル(父:アグネスデジタル)、7番目の子どもがマイネマキアージュ(父:アグネスデジタル)なのでした。
なお、ドリームシグナルのひとつ上のお兄さんがホクトスルタン(父:メジロマックイーン)です。目黒記念優勝、天皇賞では4着という成績を残したホクトスルタンも、コスモボンバルダの伯父さんなのですね。
 
 

それぞれ北海道で生まれ、競走馬としてJRA所属となった伯父・甥が、それぞれの経緯をへて金沢の地で巡りあったのです!…というのは人間に当てはめるとけっこうなドラマですが、馬的にはどうなんでしょうか?
 

人間なら「感動の再開!」みたいになるかもしれませんが、競走馬の伯父・甥はおそらく初対面でしょうし、もちろんお互いを覚えているどころか認識もしていないわけですから、せっかく「ここの誘導馬はキミの伯父さんだぞ」と教えてあげても、「ふ~ん」てなもんかもしれません。
 

 
 
 
まあいいや、とにかくせっかく縁のある馬とわかったのですから、せめて写真なりとも並べておきたい。
 

 
というので、パドックのコスモボンバルダを撮影。
 
 
 
 
…芦毛ですな。
 
 
 
ドリームシグナルは明るい栗毛。
 

 
いや、別に伯父・甥だから似てるだろうと期待していたわけではないのですが。
 
 
 
 
伯父さんのほうを撮影しようと誘導馬にカメラをむけると…ん?この馬、ドリームシグナルですか?
 
 
 
 
「違います。
ドリームシグナルは、今、背中を痛めて休養中です。
普段はいいのですが、鞍を置いたりすると背中を痛がるんです。これは持病で、前々から背中を痛がることはあったんです。
金沢競馬の誘導馬がドリームシグナル1頭だけだったときは、お医者さんに痛み止めを注射してもらって誘導したこともあったんですが、今はこの馬が一緒にがんばってくれるので、ゆっくり休むことができています」
 
 
というこの日の誘導馬は、この馬。
 
 
 
 
「イージーゴーといいます」
 

おお!歴史的名馬の名前に極めて近い!ですけど、もちろん別馬ですね。
 
 
 
調べてみますと、イージーゴー号は、父:キングカメハメハ、母:ザザ(母父:ダンスインザダーク)という血統。
2015年12月にJRAでデビューし、この新馬戦と続く未勝利戦では1番人気に推された期待馬でした。が、8戦して7着が最高という成績で2017年夏を最後に引退、とのこと。
 
 
このイージーゴードリームシグナルが、現在、誘導馬として金沢競馬の競走馬たちをエスコートしてくれているのでした。
 
(コスモボンバルダ)
 
(…の伯父さんのドリームシグナル。以前歩いて競馬場入りしたところを撮影したもの)
(つまりこの伯父・甥、まだ対面してないということになるわけですな)
 
 
(そして、誘導馬としての出番を待つイージーゴー)
 
 
 
金沢競馬場へご来場の際は、一度ゆっくり誘導馬にも目をむけてみてください。
 
 
 
 
 

ところで、負傷休養中の松戸政也騎手に、火曜日(29日)、お話を聞くことができました。
 
 

松戸騎手はこのとき、騎手研修館(いわゆる調整ルーム)から出てきたところで、聞くと、お風呂に入りにきての帰り。
自転車に乗り、元気そうな松戸騎手は、
 
 

「骨は折れませんでしたが、手とかかとを負傷しまして、特にかかとの痛みが強くて騎乗を休みました。
徐々に回復して、今朝は攻め馬にも騎乗しました。まだ痛みはありますが、近いうちにレースにも騎乗できると思います」
 
 

と笑顔で話してくれました。
その言葉どおり、日曜日(11月3日)の第1レースから早速、騎乗再開です(5番・ブルベアコローレ)。
 
(松戸政也騎手 今回のお風呂上りではなく、以前撮影したもの)
 

一方、今週のレースでは、鈴木太一騎手・堀場裕充騎手が負傷するアクシデントがありました。
塚本弘隆騎手も依然、休養中。
 

これ以上、ケガや事故が起きないよう、祈らずにはいられません。
 
 
 
 
 
金沢競馬、次開催前半戦は、11月3日・5日(日・火曜日)。後半戦は10~12日(日・月・火曜日)の連続3日間です。

この開催後半戦には、重賞競走が2つ、北國王冠が10日(日曜日)に、金沢シンデレラカップが12日(火曜日)にそれぞれおこなわれます。
 

県営14回開催も、たくさんご来場・ご参加ください!