第53回中日杯、メイジンが快勝! | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

こんにちは。
金沢競馬は県営16回後半の開催が終わりました。
 
先週末から日本海側は全国的に荒れ模様の天気。
石川県内も12日(火)の予報は未明から雪、
前日には開催できるかどうか心配されました。
 
当日は朝からみぞれ混じりの雪が降ったり止んだり…
風の強い悪天候の時間もありましたが、
時折青空ものぞき、雪も積もるほどは降らず、
最終Rまで事故なく終えることができました。
 
 
しかし気温は全く上がらず、空気はひんやり…
検量前に伺うと、
騎手の皆さんが身体を揺さぶりながら口々に
「寒い、寒い」と声を震わせていました。
厳しい天候の中でも競馬に臨むジョッキーの皆さんには
本当に頭が下がる思いです。

さて最終日の火曜日こそ悪天候でしたが、
10日(日)は朝から好天、明るい陽射しが降り注ぐ下
この開催のメインレース、年末の大一番・中日杯が行われました。
 
フルゲート12頭中、重賞勝ち馬は8頭!
さらに今年の3歳・古馬重賞の勝ち馬で出走しなかったのは
加賀友禅賞の勝ち馬バンダイクブラウンのみという、
2017年の金沢競馬総決算に相応しいメンバーが集う一戦となりました。
(JRA、地方他地区遠征馬勝ちを除く)

人気の中心はグルームアイランド。
 
 
中日杯は一昨年に制し、昨年は5着。
ノドの手術後の今年は復調ぶりをアピール。
イヌワシ賞、北國王冠を勝つなど地元金沢では4戦4勝。
「今回は昨年の勝った報知オールスターカップ以上の状態」
先週の当ブログ
と陣営も期待を寄せていました。
 
 
2番人気はメイジン。
 
 
重賞こそ4月の金沢スプリングカップ1勝のみですが、
今春金沢移籍後は10戦8勝、2着1回、3着1回と堅実な成績。
秋は距離を伸ばしつつA1競走で2連勝、
脚質から最内枠も有利に働きそうな印象でした。

3番人気は3歳馬のムーンファースト。
 
 
ここ2戦は佐賀→水沢と遠征が続き、
地元では9月の石川門カップ以来の実戦。
夏から秋にかけてグングンと力をつけ、
3歳馬の中でも実力上位にまで成長しました。

以下、ヤマミダンス、トウショウプライドと人気は続いていましたが、
グルームアイランド、メイジンが単勝5倍以下で人気が集中。
さらにムーンファーストも単勝10倍を切る時間があり、
レース前は内枠3頭三つ巴といった印象でした。

レースは好スタートからメイジンが先手、
ミスアバンセ、ヤマミダンスが手を動かして好位に取り付き、
ムーンファーストがその直後に位置します。
 
一方のグルームアイランド、スタート直後は行き脚が付かず、
1周目の3コーナーから4コーナーでポジションを上げますが、
このタイミングで逃げるメイジンがペースを下げ、
馬群がグッと固まり、グルームアイランドは
馬群の中で少しスムーズさを欠いてしまいます。
 
マイペースで逃げるメイジンが
2周目に入り少しずつペースを上げますが、
グルームアイランドは依然好位の後ろで馬群の中という厳しい展開。
 
勝負所、各馬の鞍上手が動く中マイペースで逃げるメイジン。
4コーナーでは僚馬ムーンファーストに迫られますが、
直線仕掛けられるとメイジンが一気に後続を引き離します。
 
最後は2着に4馬身の差を付け、メイジンが快勝!
一度は勝ち馬に迫ったムーンファーストは直線苦しくなり、
変わって内から伸びたマイネルリボーンが2着に、
外から追い込んだトウショウプライドが3着に上がり、
ムーンファーストは4着。
 
そして人気のグルームアイランドは勝負所でもスムーズさを欠き、
直線外に出して懸命に追い込むも道中のロスが響き、
ムーンファーストと3/4差の5着に終わりました。

2002年のオーミアジル以来2勝目の中日杯制覇となった
鞍上平瀬城久騎手は表彰式のインタビューで
 
「今日は強かったですね。
グルームアイランドがどこから来るか、
道中はそればかり考えていました。
このペースなら(勝てると)思って、
(仕掛けは)最終コーナーギリギリまで我慢しようと。
(直線は)余裕がありましたね。今日は力を出してくれて、
乗っていて気持ち良かったです。
これからも楽しみです。
今後も(この馬と)大きいレースを勝っていきたい。
金沢競馬だけでなく全国に名を轟かせる馬にしたいと思います」
レースを振り返りました。

また管理する金田一昌調教師は、
「今回は万全の仕上げで『絶対勝つ』って意気込みで臨んだ。
(レース前、平瀬騎手には)今日は逃げるしかないと。
逃げてペースを落としていって欲しいと話しました。
馬場にも助けられましたが、本当に上手く勝てて良かった。
(脚元の不安を抱えつつ)今年1年よく頑張ってくれました」
愛馬の走りを労いました。

今後のついては、
順調なら来年1月3日川崎・報知オールスターカップに進むとのこと。
また4着だった僚馬ムーンファーストも登録予定で、
この馬については
「遠征続きだったので中間楽させた分、体重が増えてしまった。
今回は古馬との差が出た、まだ一腰足りないかな」
と振り返りつつも
 
「来年この馬はかなり成長株になるんじゃないかな」
今後の成長にかなりの期待をしている印象でした。
 
 
一方、人気を集めながら5着に敗れたグルームアイランド。
道中は前が壁になったり、折り合いを欠くシーンもあったりと、
今回は力を出し切れなかった印象。
 
競馬で「たられば」は禁物ですが、
もしもっとスムーズな競馬が出来ていたら…
また違ったレース展開になったかも知れません。
 
ともあれ今年はイヌワシ賞、北國王冠と地元重賞を2勝し、
復調ぶりをアピールしたグルームアイランドが
来年も重賞戦線を盛り上げる1頭であることには変わりありません。
 
来年の金沢古馬戦線でどんな勝負が繰り広げられるか、
今から楽しみです!
 
 
そしてメイジンの関係者の皆様、優勝おめでとうございます!

金沢競馬年内の開催もいよいよ、
あと1開催4日を残すのみとなりました。

県営第17回の前半戦は19日(火)21日(木)
後半戦は26日(火)27日(水)の2日連続の開催。

日曜日の開催はありません、
変則的な日程ですのでどうぞご注意下さい。
 
次週も金沢競馬でお楽しみ下さい!