第61回MRO金賞 | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

こんにちは、泉です。
金沢競馬県営第八回の前半戦が終了しました。

 

開催の2日目、8/1には重賞・MRO金賞が行われました。

地元金沢はじめ東海、兵庫から遠征馬を迎えて

3歳馬12頭で争われました。

 

出走馬は

1 ムーンファースト

 

2 グレイトデピュティ

 

3 スリーピーアイ

 

4 カツゲキマドンナ

 

5 ヴィーナスアロー

 

6 ホープクリスエス

 

7 マイフォルテ

 

8 ウリャオイ

 

9 サッキーヘラクレス

 

10 ゴールドハリアー

 

11 ヤマミダンス

 

12 アポロノリュウジン

 

このレースでは何度も何度も強い遠征馬の姿を見てきました。

振り返れば地元金沢の馬はナムラダイキチ(2011)以来

勝利がありません。

それが今年は単勝1番人気こそ兵庫のマイフォルテに譲ったものの

全国でも活躍を見せるヤマミダンス(2番人気)

初代石川ダービー馬・ヴィーナスアロー(3番人気)

の出走で今年は地元金沢の優勝という期待が例年以上に

高まっていたと言っていいでしょう。実況を担当する私も

そういう期待感が高まっていた事は間違いありませんでした。

 

そのような中レースは(少なくとも実況アナとしては)意外な展開で

幕を開けました。内枠からムーンファーストが好枠を利して

逃げの手に。

一方ヤマミダンスは好位から、マイフォルテは中団に構え

ヴィーナスアローは自分の形で後方から。これら有力各馬についてはは想定内の位置取りでしたが。

淡々とした流れで進み、いつ後続が仕掛けるのか・・・そんな事を

考えながら実況していましたが快調に逃げるムーンファースト。

3コーナーで自らペースを上げると後続のジョッキーの手が激しく

動きますが、その差がジワジワと開いていきます。

直線に入りヤマミダンスが2番手に上がってきましたが最後は

ほぼ差が詰まらず圧巻の逃げ切り勝ちとなりました。

 

ムーンファーストを優勝に導いた栗原大河騎手は

「今までの作戦と違い先生(金田調教師)から思い切って

ハナ切ってみろと指示があったので、その通りに乗れて

結果として勝てて良かったです。人気的にもあまり競ってくる馬は

いないと思い、その通りになったのでスローペースに落として

馬の体力を温存させようと。」

インタビューしていてまるで手品のタネ明かしをしてもらったような気になりました。全ては栗原騎手の思う通りになっていたのかと。

 

それでも直線を迎えた時は「本当に今振り返ろうとしても何かよく覚えていないが目一杯追って来ました。」

入線後に大きなガッツポーズを見せた事については

「初重賞制覇なので本当にこみ上げる思いがありましたね。」と

冷静なだけではなく興奮した思いも伝わってきました。

 

「僕もムーンファーストと一緒にもっと成長出来たらなと思いますので

(人馬共々)これからも応援よろしくお願いします。」と結んだ栗原騎手

おめでとうございます!これからのさらなる飛躍も期待しています!

 

それにしても今振り返るとこれまでデビューから9戦連続連対中の

ムーンファースト。専門紙記者さんたちもここまで1着2着1着2着と来てるからここは1着かもなんて話を冗談半分にしていたと後で

聞きましたが、実積ある馬に隠れた形でいわゆる人気の盲点になっていました。そういう馬がナムラダイキチ以来、地元馬としてMRO金賞優勝馬となった事で金沢にはまだまだタレントがいるんだという思いになり嬉しくもありました。

ちなみにムーンファーストの単勝は7,560円!隠れているタレントが

発見できれば馬券的にも嬉しい事があるかもしれません。