笠松で騎乗中 中島龍也騎手の話 | 金沢競馬担当日記

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金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

金沢競馬は冬季休催中。金沢所属の人馬は、他地区で活動中です。


そのうちの一人、笠松で騎乗中の中島龍也騎手にお話をうかがいました。

中島騎手は、昨年4月にデビュー。金沢競馬としてはじつに久々の新人騎手は、あっという間に減量を解除する活躍を見せました。昨年あげた勝ち星は、42。

531回の騎乗数も、新人としては非常に多かったと言えます。



その昨年を振り返って中島龍也騎手は、


「厩舎の方、周りの方のバックアップが大きくて、たくさん乗せてもらえました。でも、減量がとれてから、徐々に乗り数が減ってしまったので…。減量がとれてから、乗り方を見直していかなきゃいけないな、とは思ってたんですけど、ちょっと勝ちから遠くなっていった気はしましたね」


1年乗ってみての感想としては、


「競馬って難しいなと。

見ているだけだったころとは、視点も変わりますし。見ているだけのころは、こう乗ったらどうかな、とか考えたりしてましたけど、やっぱりそううまくはいかないですしね。

馬の調子や馬場状態、自分の調子もふくめて、そういうものが全てうまくかみ合ってこないと勝つのは難しいですし、そういう色んな面を含めて、競馬って難しい、奥が深いなと思いました。


難しいというのは、デビューした最初の開催からわかっていたことなんですけど、何をどうすれば問題解決するのかなっていうのをずっと試行錯誤してた感じの1年でした」


デビュー当初と比べて、自身、変わったと思うところは、


「印の入っている馬、グリグリ本命の馬に乗ったりすると、かたくなったり意識しますけど、そういうのが少しずつマシになったかなとは思います。技術面も変わったとは思いますけど、やはり気持ちの面で変わりましたね」



中島龍也騎手

「もっと自厩舎だけでなく、ほかの厩舎にも攻め馬を手伝いに行ったり、どんどんコミュニケートとりにいって、いろんな厩舎の馬に乗せてもらえるようにならなきゃいけないですね」


という中島騎手。冬季を笠松で騎乗することについては、


「加藤和義先生と相談して決めました。牧場などで乗るのも技術向上すると思うんですけど、先生の考え方が、とにかくレースに乗ってナンボということで、自分もそうだと思うので。

高知とか、もっと遠くに行くプランもあったんですけど、高知って今、すごく人数多くて、(畑中)信司さんも『高知はアツいぞ』『戦国時代みたいやぞ』って言うし、じゃあ東海でって」


現在は、


「とにかく乗り鞍集めるために、全力で日々、すごしてます。金沢に帰ったときに『少し変わったな』って言ってもらえるように、心身ともに成長したいです。

笠松の乗り役さん、みんないい人ばかりなので、仲良くさせてもらってます。これからたくさん騎乗できるように、調教師さんや厩務員さんにもどんどん顔を売って、どんどん仕事していこうってがんばってます」




中島青柳佐藤友則騎手

(左から、中島龍也・青柳正義・笠松の佐藤友則)



騎手候補生時代、所属がなかなか決まらなかった中島騎手に、「調教師試験に合格したら、絶対ウチで引き受ける」と言ってくれたのが、加藤和義調教師。


「先生は姿勢にこだわる方なので、よく注意されるのが姿勢のことです。ゲート裏からきちんとした姿勢にしておけって言われます。今回、厩舎から離れて笠松で騎乗するのも、加藤先生は、営業だとかコミュニケーションのとり方だとか、そういうことを自分でやって覚えてこいっていうことを考えてくれてるんだと思います」


笠松での今年の金沢所属馬初勝利は、中島騎手が騎乗したセレナイトでした。


「金沢勢の初勝利いただいたので、うれしかったですね。

今年は、通算100勝、それから去年とれなかった新人賞をとって、いろんな厩舎の馬に乗って安定して勝ち鞍かせげるように、周りから信頼をえられる年にしたいですね」


と、今年の抱負を語る中島騎手。


「ひと鞍ひと鞍、全力で乗りますので、そこを見ていただければありがたいです」


とハッキリした口調で話してくれました。

考え方も語り方も非常にしっかりしていて、とてもデビュー1年足らずの騎手とは思えない中島龍也騎手。初勝利直後に会ったときから、全体としては印象は変わりませんが、受け答えに少し余裕が出たように感じます。


昨年のような、それ以上の、活躍を見せてくれるのが非常に楽しみです。

中島騎手の笠松での騎乗は、3月6日までの予定です。