5日、NHKアーカイブス「あの人に逢いたい」は團十郎でした。
團十郎のことになると、なぜか切なくなります。
舞台で観たのはただ一度。
平成24年6月の御園座での「石川五右衛門」でした。
それでも、團十郎の存在は大きく記憶の中にあります。
歌舞伎に出会い、関係書籍も楽しく読めるようになりました。
宮尾登美子の小説「きのね」は
團十郎の父と母がモデルといわれるお話で
遺族である成田家は良い思いはできない内容でしょう。
映像化はできないことになったそうです。
しかし、物語は役者や歌舞伎界を魅力的に著し、
夢中になって読みました。
その中での團十郎は父と母を愛する、誠実な市川家の後継者でした。
團十郎の青山学院大学の特別講義を書籍化した
「團十郎の歌舞伎案内」 (PHP新書) は
彼のやさしさがとてもわかる本でした。
歌舞伎のことを、素人でもわかりやすく語っています。
難しいことを簡潔に説明することは、大変なことです。
父親である「花の海老さま」こと十一代目のエピソードもあり、
小説「きのね」を思い、感慨深いものでした。
歌舞伎役者の家系に生まれなかったら、
研究者か教育者になった方だったかもしれません。
この講義を受けたかったと心底思いました。
早逝されたことは本当に残念です。