車中ウォッチング (空席)
青山で開かれるピアノリサイタル会場に向かう。
今日のピアノリサイタルでご着用のMEMEドレスは薄紫のシックなもの。
舞台で拝見するお姿を想像してドキドキワクワク。
土曜の夕方とあって、そそくさと乗り込んだ車中には、遠征試合から帰る野球少年達が大きな荷物と共に三々五々座っている。
我が家の孫も新中学生・・・。
遠距離通学に加えて野球部の練習もあり、身体が慣れるまでは大変だろうな・・・といつも何気なく様子を窺っている最近の私。
前に座っている二人も多分新一年生かな?
まだ成長していない身体が大きな荷物に埋まっているよう・・・。
ほほえましく見ていると、とある駅から乗って来た55歳前後のおばさんが険しい雰囲気で二人の前に立った。
車両の端の3人掛けの椅子に座っている初々しい新入生のお二人さんは、野球(?)道具に埋もれながらも何となく気配を察している模様・・・。
多分、上級生の荷物も運ばされているようだ。
余りにも多い道具の山で、
どうしていいか分からずに空いている真ん中のお席に積み上げていたらしい。
おばさんの後ろ姿からは、二人を叱責するようなニュアンスの「おらおら!」ムードが伺える。
言葉には出さないが、「あんたたち、この私が見えないの?!
席の上に野球道具を置くなんて許せないわよ!」・・・感、駄々洩れ。
恐縮した二人は、大きな大きな野球道具を掻き集めて、
ただでさえ可哀そうなほど身を縮めているのに更に小さくなって真ん中の席を空ける・・・。
そこで、どっかと座ったおばさんの尖った顔!
「よしよし、許す!」的な・・・。 (*_*;
三人掛けをルーズに曖昧に二人で座っていたのは確かに悪いですよぉ・・・。
だけど!だけど!
おばさん、周囲を見回してくださいな。
座る場所は他にも何席も有るでしょうがぁ・・・。
そんな怖い顔で「おらおら!」しなくたって、視線を他にずらせば、らく~に気分良く座れる席が他にもあるのに・・・。
大きな荷物に埋まって身を縮めていたあの新一年生たち、そのうちに電車の振動に身を委ねてこっくり可愛い舟を漕ぎ始めた・・・。
どんなに疲れていたのでしょうね・・・。
別になんでもないんですよ、このシーンは・・・。
でも、「ここと決めたら他に目が行かない」おばさんの行動にちょっとクスリとしてしまった。
周囲の全体を見分けてから行動を決める余裕が欠けている、頑固に自分を通す中年族の生態。(自分も含めて)
ちょっと見回せば、いっぱい空席が有るじゃないですかぁ。 (~_~;)
そこだけぎちぎちに荷物と人に埋まっている風景・・・。
ちょっと笑えた・・・。
★
随分前の「車中ウォッチング」から。
画像を・・・と思いながら描いていなかった。
明日描いてみよう。
描けるかな・・・?