この二枚のデッサンを見ると、
あの日のデッサン教室の出来事が思い出される。
あの日も、今日のように寒い日だった。
何時ものようにモデル事務所から派遣されてきた美しいモデルさんの「裸婦デッサン」を描くことになっていたのだけれど、
その日のモデルさんは、遠いお住まいから電車でやっと会場に辿り着いたご様子で、
なかなか衣服を取る準備が出来ないご様子だった。
教室の暖房も上手く活動してくれなくて・・・。
「寒気がするので・・・」と、みんなに意見をお聞きし、その日は「着衣」のままのデッサンをすることになったのだった。
だから、珍しく通勤着のままでポーズをとって頂き、短時間で二枚のポーズだけ描かせてもらってお帰り頂いたものだった。
突発的な「風邪?」の症状が出て来たのかもしれない。
会場に集まる会員も、寒い中、仕事などの都合を付けてやっと「デッサン教室で勉強出来る」ということを楽しみお出かけ下さったのだし、と両方、ちょっと気まずい(・・・?)空気が流れる中で始まった。
本当に、コートを脱いで地面に腹ばいのポーズをしたり、椅子に座って背中にもたれたり・・・と
やっとの思いでモデルさんも頑張っていらっしゃることが見て取れた。
いつもより少し描く時間を短くして、やっとのことでその会は穴を空けずに済み、少し早めにお帰りになって頂いた。
そのあと、男性陣が口にしていた言葉が・・・。
「出がけに気分が悪いのだったら、ちゃんと連絡して休んでくれた方が良いのに・・・」
「男性だったら職場では許されることではないよなぁ・・」
女性陣は「体温の心配」をしたり、「大丈夫?」「いつでも切り上げていいですからね・・・」と、自分の娘を慮るようなやさしい姿勢・・・。
こうも「仕事」に対する責任感への対処が違うのだとびっくりした。
取り敢えず無事に駅までお送りして「早く温かくしておやすみなさいね!」と手を振って見送った。
「男性の言い分・・・」とか「女性の受け取り方・・・」とかいうのは、やっぱり「責任」をどう考えるか・・・で言葉が違ってくるのだろう。
私も一応若い時は「金融関係」で仕事をしていた身。
でも、やっぱり男性のように、仕事の不成立に「厳しい」言葉は出せない。
その辺が男女の違いかな・・・?
・・・と。
私自身は、着衣ポーズで洋服関係の「皺」の勉強が出来て嬉しかったけど・・・!
「皺」大好き!