私がパステル画を描くことになった切っ掛け・・・母の老い | MEMEの日々のことども (黄昏編) 

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★ 初めて「パステル」を使って描いた絵  (レトちゃん)

 

 

 

「裸婦デッサン会」でデッサンを描き始めて23年。
会場に送り迎えしてくれていた家人の「車免許証返上」を期に、終止符を打ってから5年余。

 

 

近隣センターで「絵の会がある」と聞いて入会したのが58歳頃。

 

お年を召した先生が「裸婦」の第一人者であられたことから、専門の「裸婦」一本に絞ってのデッサン会だった。

 

しかし、教えを頂き始めて間もなく先生のご指導も叶わなくなり、それでも会員は自主的に継続して動き、一流のモデル事務所からお招びしているモデルさんを思い思いに描き続けて、今も脈々と熱い眼差しで木炭を繰っていると聞く。

 

そんな中、会員の中では異色の「パステル」で描くようになった私。

 

 

「木炭」でのデッサン教室の中、一人だけ「パステル」・・・。

 

しかも、お年を召した先生は、一度も「パステル画」を描いたことが無いと・・・。

 

 

・・・。

 

 

「パステル」画材との縁・・・。

 

その切っ掛けは、私の母「けい・70歳」が、父亡きあと、独学で始めた「油絵」から・・・。

 

 

毎日キャンバスに向かい描き続けて十数年、まるで弾けたように夢中で絵筆を動かしていた母も90歳近くにはもう「油絵の具」の煩雑な後始末も億劫になっている様子を聞くにつけ(母は遠方に住み、同居の兄嫁が全てを看てくれていた m(__)m)「絵」を描き続けられる方法はないものか・・・?と考えていた。

 

 

そして思い付いたのが「パステル画」

 

 

パステルなら画材を準備する事もいらずに、気が向いた時に取り出して描き、終わったら仕舞うだけ・・・、油絵のように前後の煩雑な始末が要らない・・・!

 

そこで、「パステル」の最高級の画材を母に送り、「そろそろ【パステル画】を描かない?」・・・と。

 

 

それから何気なく母の作品を気にして「どうかな・・・?」と思っていたが、いつの間にそれも忘れていた・・・。

 

というより、90歳前後のその頃には母はもう体力の限界が来ていたようだった。

 

 

そして、何かの行事で帰郷したある日、母が小さな箱を手に持ってきて言った。

 

「このパステル、折角貰ったのに、一度も使わなかったの・・・。あなた、使ってくれる?」

 

 

・・・・・・

 

喜んでくれると思って贈ったものを、そっくり返される時の心の痛さ。

しかも、老いた母に・・・。

 

 

母の体力の限界を覗き見たような悲しさ・・・。

 

 

 

暫くは忘れたように放っておいたその「パステル」を、ある日取り出して紙に描いてみた。

 

白墨に油分を含ませたような感覚。

 

 

それが切っ掛けで、私は「裸婦デッサン会」でもパステルを使うようになったのでした。

 

ご指導下さる先生は、「パステル」は一度も描いたことがない・・・とのこと、全く白紙状態から自分で工夫をして描くことになったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、初めて書いたこの「たどたどしい」パステルのわんこ「ㇾトちゃんのべビー時代」を見ると、いろんな感情が湧き出て来て、上手い下手は横に置いて感慨が湧き出るのでした。

 

 

パステルは特有の難しさがあり、一度描いた部分には色を「重ねる」ことが出来ず、望む色の部分を白紙で残しておかなくてはならないので大変!

 

一度塗ったら「消しゴム」では消えない・・・。(油分を含むので)

 

描き始める前から計画的に色と場所を決めておかなくては・・・。

 

黒板に「白墨」で絵を描く場面を想像すると分かるように、「色を重ねられない」のです。

 

試行錯誤で独学で描き始めた「パステル」の世界。

 

幸せだったなぁ・・・。

あの時間たち・・・。

 

 

 

その「私」がもう、86歳!

 

 

案じた頃の母と同じような年齢・・・。

 

 

 

今、PCのピクチャーで探し物をしていて、

 

パステル画の初々しい初画像を 「み~つけた!」  でした。

 

その折、もう一枚、同じくその頃描いた画「ㇾトちゃん」を見つけたのに、慌てて「保存!保存!と騒いでいる内に、又もや何処に入れたか分からなくなってしまった!

 

 

お~い! ㇾトちゃ~ん  出ておいで! レトちゃ~~ん!

 

母「けい」の作品を纏めた「けいの部屋」を覗いてみて下さいますか?

 

 

 

 

★★★★★★★★★

★★★★★★★★★

 

 

 

「私の絵なんて、人様の前に出せるようなものではない」と、頑なに「個展」を拒否して他界した母。

 

でも、「上手・下手」ではなく、90まで独学で油絵を描き続けた「老後に花開いた人生」の証を知ってもらいたい事が一番の願いだった私。

 

 

間に合わなかったけれど、母亡き一年後に、私と母の「母子個展」を開いたのでした。

 

その話はまた次に・・・。

 

 

 

 

 

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