塩沼亮潤 | 大阪府枚方市にある 医)慈明会こうやま眼科 理事長のブログ

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早くも6月です。

 

人生は9割つらいこと。でも1割素敵なことがあるから頑張れると教えていただいた方は、塩沼亮潤大阿闍梨でした。

一生小僧の気持ちもそうです。大阿闍梨に教えていただいた言葉です。

 

千日回峰行という苦行を選んだ以上、歩き続けなければいけません。

私たちの人生も本当に苦行の連続ですが、朝を迎えればまた一日一日仕事に学業に向かい合い、そう歩み続けなければなりません。

 

大阿闍梨がその回峰行を振り返った文章があります。

 

弱い私は、朝起きると、つらいなあ、今日はしんどいなあとベットの上で弱音を吐きそうになる毎日です。

経営のことを考えると、職員の幸せのため、患者さんの笑顔のためって考えると、弱音をこの年になっても

吐いてしまう朝があります。

その時にいつも繰り返し思いだし、自分を鼓舞してるのはこの文章に会えたからかもしれません。

抜粋を書かせていただきます。

 

***********

 

小僧生活をさせていただいて4年目、
23歳の時に大峯千日回峰行という修行に
入ることを許されました。

毎年5月3日から9月の初旬まで、
毎日48キロの山道を16時間かけて歩きます。
そして年間120数日を目途に、
9年がかりで1000日を歩くのです。 

この行には絶対に途中でやめることができない
という千数百年前からの厳しい掟があります。
万が一、途中で「これ以上前に進めない」

と判断した時には、常に携えている短刀で
腹を切って行を終えなければなりません。 

毎日同じ道を上ったり下ったりする間には
雨の日も雪の日もあります。

猛烈な台風が来た時も崖崩れに遭った時もある。
熊、猪、蝮、いろんなものが
いつ襲ってくるかも分かりません。

それでもただ前を向き、一条の光を求めて
手探りの状態で行を進めてまいります。 


黙々と山を歩きながら、
ふと浮かんだ言葉を山の中で書き留め、
宿坊に帰ってきてから
墨字で毎日日誌に書き綴りました。


「17日目、行者なんて次の一歩がわからないんだ。
 行くか行かないかじゃない。行くだけなんだ。
 理屈なんか通りゃしない。

 もし、行かなけりゃあ短刀で腹を切るしかない。
 そう、次の一歩がわからないんだ。
 妥協しようと思ったらいくらでも出来るかもしれない。

 しかし、なにくそ、これしきと思う。
 その勇気は大変です。
 苦しみ、悩み、涙と汗を流せば流すほど、
 心が成長します。

 たとえ雨でも、雲の上は晴れている。
 心まで曇らせることなく歩いて行かなければ。」


毎日夜中の11時半に起床すると、
すぐに滝に入って身を清め、
宿坊から階段で500段ほど上ったところにある
参籠所で身支度を整えます。

左手に提灯、右手に杖を持ち、編笠を被り、
熊よけの鈴を鳴らしながら、
12時半にたった1人で1719メートル先の
山頂に向かって歩いて行きます。 

山の中でいつも思い浮かぶのは
故郷の母や祖母のことです。


「仙台にいる母ちゃんやばあちゃんは
 何をしてるだろうな」


返事、挨拶、礼儀、好き嫌いをなくすことなど、
人として大切なことを教えてくれた母と祖母。

本当に厳しく育てられました。
おかげで嫌なことがあっても
感情を顔に出さなくなりました。

約束を守って嘘をついてはいけないという教えが
大きな信用に繋がりました。 

そんな母ちゃんとばあちゃんを思い、日誌にこう書きました。

「母ちゃん、ばあちゃん、
 この世では俺ぐらいの子を持つ親は、
 もう孫もいるよね。

 朝早く起きて無事を祈ってくれたり
 苦労をかけたりすまないね。
 でも神さん、仏さんのために頑張ろうね。

 いつの日からこの道を歩み始めたのだろうか、
 母ちゃん、誰に聞いてもわからない。

 なぜなのかわからないけれども、
 今母ちゃんとばあちゃんと俺、何なんだろう。

 でも仏さんも羨むだろうと思うよ、
 この絆は。一緒に暮らしたい、
 みんなのように親孝行をしたい、
 でも今はできないんだ。

 ばあちゃん、母ちゃん、
 いつかきっと早くその日がくるように歩いていくよ。」

 

**************

 

人は一人では生きていません。

朝を迎えれれたことも、一日無事に過ごせたこともすべておかげ様とお互い様です。

ちっぽけかもしれないが、大自然の中に多くの命とともに生かされているという真実に気づき、

すべてに感謝しないといけません。

 

今年も後半戦となりました。

前だけを向いて生きたいと再度思いを新たにしております。