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はじまりはスクリーン

ずっと映画好き、50を越えても映画好き。
あと50年は映画が観たい。

サッカー小僧 fimpen  ■ fimpen
1974年スウェーデンボー・ ヴィデルベルイ監督

スウェーデンサッカー界に
6歳の天才サッカー少年フィンペンが現れた。
そしてついには、ワールドカップ代表に!
かわいいけど、たくましい!
字は書けないけど、自分のことは一人で決められる!
そんなフィンペンの凛々しさにうっとり。
当時の
スウェーデンのインテリアや町並み、
人々の様子がなんともほのぼのといとおしい。
ありえない、ファンタスティックな物語だからこそ、
いつまでも 色あせない輝きがある。

 

オリエント急行殺人事件
■ murder on the orient express

1974年イギリス シドニー・ルメット監督

ミステリの女王アガサ・クリスティの
1934年の傑作を豪華キャストと
大御所シドニー・ルメット監督の
組み合わせで映像化。

映画ならではの卓越した演出、
ポアロを引き立てながらも
キャストの見せ場をうまく配置し、
まったくストレスなくクライマックスへと誘う。

これだけ原作の持つ味を壊さずに、
大勢のスターを活かし切った作品はない。

 

ピクニック・アット・ハンギングロック
■ picnic at hanging rock

1974年オーストラリア ピーター・ウィアー監督

1900年にオーストラリアで本当にあった、
少女達と女教師の失踪事件。
セピア色に煙るような美しい情景と、
少女の微妙な心のひだをベースに
物語は淡々と進み、やがて悲劇は起こる。
そして、みるものに謎と想像を残したまま、
消え入るように終わる。
寄宿舎、髪をすく少女達、
レースのストッキング、ポオの詩・・・
すべてのモチーフが耽美で暗示的。
この世界に浸ってしまえたら、
忘れることの出来ない一遍。

 

アリスの恋 ■ Alice does'nt live here anymore
1974年マメリカ マーティン・スコセッシ監督

夫と子供に煩わされながらも
何も出来ず毎日を過ごすアリス。
夫が死んだ時、アリスは子供を連れて
故郷のモンタレーで歌手としてやっていくために
旅立つ。
70年代中期に多く作られた女性映画の中でも
ひときわ輝くロードムービー。
当時40歳だった演技派エレン・バースティンが
その存在感を存分にみせてくれる。
アリスと男たち、
そして先輩ウェイトレスのフロとの関係が
自然に変化していく様子が面白い。
70年代そのものといったロケーションや挿入歌も好き。

 

TOMMY/トミー ■ Tommy 
1975年イギリス ケン・ラッセル監督

言わずと知れたロック・オペラの傑作。
ザ・フーのアルバム‘TOMMY’を基に
鬼才ケン・ラッセルが映像化。
子供時代のトラウマから、見えない、聞こえない、
話せない、三重苦のまま成長したトミー。
ある日偶然にプレイしたピンボールに天才的な
才能を開花させ、世界を席巻するヒーローに。
恐ろしいまでに魅惑的でゴージャスで危ない映像、
次から次へと登場するビッグ・アーティストによる
怪しい演技とサウンドにはお手上げ状態。
青年時代のトミーを演じるロジャー・ダルトリー、
変態叔父のキース・ムーン、
体当たりの迫力ティナ・ターナー、
俳優陣では、小悪党そのもののオリバー・リード、
眼差しの光も妖しいジャック・ニコルソンと、
生半可じゃない曲者揃い。
だがこの映画で一番の存在を感じさせるのは
母親役のアン・マーグレット。
その美貌と渾身の悪魔的演技には目を見張る。
真っ白の部屋でチョコレートまみれであえぐ彼女、
その晩の夢に出てくる事間違いない。
エルトン・ジョンの〝ピンボールの魔術師〟
ダルトリーの〝See me , feel me〟は
涙なしではみられない。
ラッセル&ザ・フー最高傑作。 

 

ステップフォード・ワイフ  ■ Stepford wives 
1975年アメリカ ブライアン・フォーブス監督

ステップフォードの町には何か秘密が隠されている。
郊外に引っ越したジョアンナは
そこに暮らす完璧な主婦たちに何か違和感を持つ。
そして自分と同じリベラルだった友人たちも
次々と良妻賢母に変わっていく・・・。
〝ローズマリーの赤ちゃん〟〝死の接吻〟の
アイラ・レヴィンが原作のスタイリッシュSF・ホラー。
美しくて聡明なヒロイン、キャサリン・ロスの魅力と
完全無欠のステップフォードの町。
より原作に近いサスペンス性を持つが日本未公開。
シリアス度はリメイク版よりも高くて面白い。
この頃のキャサリン・ロスのスレンダーさと
理知的な美しさはため息ものなのだ。 

 

シャンプー  ■ Shampoo
1975年アメリカ ハル・アッシュビー監督

メインキャスト3人のスチールが印象的な作品。
この時代はこんな秀逸なスチールが多い。
まるで地をいくベイティ演じるジョージの
プレイボーイぶりを中心に、
彼を取り巻く女達の確執を描く。
自分を変えたいと思ってもうまくいかない
美容師ジョージが最後に開き直るシーンは
説得力抜群。
そこに、成功者だが愛する恋人の動向にやきもきする
レスターの存在をからませているのがいい。
彼は愚直だが真摯な気持ちを持って
恋人の愛を得るが、

対して全ての女に去られてしまう
ジョージの後姿。

当事の最新のファッションやヘアスタイルも楽しい。
ジュリー・クリスティの鼻筋は通り過ぎだし、
ゴールディ・ホーンはミニスカートが似合いすぎる。
そしてやっぱり男性美容師は
フリルの白ブラウスで決まり!
ジルのアパートメントがかわいい。
そして音楽はポール・サイモンだったりする。


犬神家の一族

1976年日本 市川崑監督

記念すべき「角川映画」第一弾作品。
あまりにも有名な佐清マスクは子供たちの心に
大きなトラウマを残した。
おどろおどろしい物語はそのままに、

市川監督らしいモダンな映像美で完璧な
世界観を構築。
湖の逆さ死体、菊人形の生首、
松竹梅三姉妹の白塗り、などなど名場面の数々。
加えてキャストの迫真の演技。
高峰三枝子の貫禄の狂気には恐れ入る。
やはり私の中では石坂金田一がベスト。
大野雄二のジャジーな音楽もアンフォゲッタブル。 

 

カサンドラ・クロス 
■ THE CASSANDRA CROSSING 

1976年イタリア・イギリス 
ジョルジ・パン・コスマトス監督


ソフィア・ローレンを筆頭に早々たる名優たちが顔を揃えた
70年代を代表するパニック巨編。
細菌に汚染されたヨーロッパ大陸縦断列車が
朽ち果てた‘カサンドラ・クロス’に向かって疾走。

くい止めることはできるのか。
次から次へと起こる事件と誤算。
とにかくすごい曲者だらけのキャストから
目が離せない。
凝った筋立てのないスタンダードなスリル。
時代の匂いのするチープさもたまらない。
当時のパニック映画の定石でもある
哀愁を帯びたメロディアスなテーマ曲が大好き。