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はじまりはスクリーン

ずっと映画好き、50を越えても映画好き。
あと50年は映画が観たい。

1970年代は私が映画に目覚めた時代でして、

小さかったので、ほとんどがテレビで観たものです。

録画機などもなく、リアルタイムで観るしかなくて、

親に叱られつつ、苦労しながら観たものです。

もちろん、後からビデオで観たものも。

やはり女性目線で、

かっこいいな、かわいいな、と

思ったものが多い気がします。

と同時にサスペンス好きなのはこの頃からです。


白い家の少女
■The Little Girl who Lives Down the Lane

1976年カナダフランス ニコラス・ジェスネル監督



ニューイングランドの小さな村の
海辺の白い家に住む美しい少女リン。
周りの人々を拒絶し 、
死んだ父の思い出だけと暮らす彼女に、
次々と訪れる訪問客とその末路。
流れるショパンのピアノ曲、
鉛色の10月の空、
打ち寄せる波、白い家。
絵になりすぎるシチュエーションと、
あまりにも美しくて幼いジョディ・フォスター。
それだけで、十分みる価値あり。

美しくて、哀しくて、怖い物語。
やっぱり、ジョディは天才だった。 

 

サスペリア2 ■Profondo Rosso
1976年イタリア ダリオ・アルジェント監督




大ヒット作「サスペリア」より
2年前に作られたこの作品は、
巨匠アルジェント監督の最高傑作。
オープニングクレジットの、
足元から撮った美しい部屋に
血まみれのナタのシーン、

忘れられない。

謎解きの要素が強く、
犯人も実在し、ホラーというよりは

サスペンス。
その殺し方が痛い。
苦手な分野なのに、
次のシーンがみたくて止められない。
絵画のような映像、独特のクールな色合い、
プログレッシブなBGM。
大好きな世界観。 

 

がんばれ!ベアーズ ■The Bad News Bears
1976年アメリカ マイケル・リッチー監督




とにかく、テイタム・オニールがかわいい!
おませでクールで豪腕ピッチャー、
文句なしのキャラクターに演技力。
ダメ監督ウォルター・マッソーも

ペーソスたっぷり。
もちろん他の子供たちも個性あふれて魅力的。
これぞアメリカの子供たち、アメリカの放課後、
アメリカの空と緑、70年代気分満喫。
決勝戦の夕景はまさしく私のアメリカへの
憧憬そのもの。
野球って、スポーツっていいな、
と素直に思わせてくれる。
昔みた記憶のある人も、

今みるときっと新鮮な感動を
もらえるに違いない、
愛すべき佳作。
 

 

マイ・ソング ■You light up my life
1977年アメリカ ジョセフ・ブルックス監督




歌手を目指すローリーは結婚を控えているが、
魅力的な男性クリスと出会う。
映画監督であるクリスを信じて
結婚を取りやめたローリーだったが、
クリスも映画の主演という仕事も同時に失う。
人生の岐路で悩む夢見るヒロインは
ちょっとシャイでファニー・フェイスの

ディディ・コーン。
彼女の選んだ道は間違いだったかもしれないけど、
大好きな歌は残り、悲しみを乗り越えさらに強くなる。
みずみずしさに満ちた彼女の存在は今とても新鮮。
70年代後半のタイトなファッションがかわいい。
デビー・ブーンの大ヒット曲‘You light up my life’を
オーケストラをバックに歌うローリーの
輝きにあふれる表情、
そのシーンだけでもみる価値のある青春ドラマ。

 

グリース ■Grease
1978年アメリカ ランダル・クレイザー監督




J・トラボルタとO・ニュートン・ジョンが
高校生という無理な設定も、
クールなナンバーと、
トラボルタのダンスで許す!
キャストがとにかく笑える。
みんなめちゃめちゃ楽しそうで、
みているこっちもハッピーに。
S・チャニングとJ・コナウェイの存在も
強烈なインパクト。
‘慕情のテーマ’から始まって、
バリー・ギブのテーマソング、
‘グリーズト・ライトニン’
で一気に盛り上がる!
アメリカの一番幸せな時代が凝縮された、
理屈抜きにポップでライトな名作。

 

ビッグ・ウェンズディ ■big wednesday
1978年アメリカ ジョン・ミリアス監督 




1960年代、カリフォルニア。
サーフィンを通じて青春を共有する3人。
人生の中で、無軌道に過ごすことの出来る
この時代の輝きとうつろい。
その後に来る、決別の切なさ。
ジョン・ミリアス作品だからだろうか、
青春映画にありがちな軽さは感じられない。
ラストシーンで年齢を経た

J・M・ビンセントが
ゆっくりと海辺にやってくるシーンが
忘れられない。
サーフィンシーンの迫力はもちろんのこと、
3人のキャストのみずみずしさが胸に残る。

 

クレイマー・クレイマー ■KRAMERvsKRAMER
1979年アメリカ ロバート・ベントン監督




女性の自立、子供の養育権問題、
夫による子育て…と公開当時は、
様々な問題を提議し、社会現象にまで
なったこの映画だが、当時はまったく
そういう事柄に興味がなく、

魅力を感じなかった。
時間がたってもう一度みて、

遅まきながら
その素晴らしさを理解。
単に時代の風潮に訴えているだけでなく、
ヒューマンドラマとして最高の出来映えだと思う。
主演の2人はもちろん、
子役のジャスティンくんの演技が素晴らしくて、
釘付け。
クレイマー家のアパートメントは、
『ジョンとメリー』のジョンの部屋の

10年後さながらで

まるでその後のジョンの人生を

垣間見ているよう。
父と子供の日常がたくさん描かれ、
へたくそだったフレンチトースト作りが、
最後には完璧になるくだりなど、
微笑ましくて心に響く場面が

ちりばめられている。
原題の意味

「クレイマー父対クレイマー息子」
というのも最近知った。

 

チャンス  ■BEING THERE
1979年アメリカ ハル・アッシュビー監督 



ピーター・セラーズの神業な演技に泣いた。
屋敷の中で、庭の仕事とテレビを見ることしか
知らない男が主人の死によって、
一般的な常識を持たぬ状態で
社会に放り出される。
彼の無垢な発言を巡って、
権力者達が右往左往する様子は、
現代社会への風刺たっぷりだが、
この物語は細かい謎が多く、
全体を通してみるとファンタジーの要素が強い。
淡々とした展開だが、まったく飽きることなく、
物語の行く末を追う。
不思議に無機質な映像美。
テレビしか興味を持てない
孤独な男に見える彼が、
本当は一番幸せな人生を
歩んでいるのかもしれない。
S.・マクレーンやM・ダグラスの

脇の演技も、特筆すべき素晴らしさ。
幻想的なラストシ-ンが

深く心に染み入る。