優れたミステリが多く思い出される1990年代中期。
ちょうど長女を出産して映画館に行くのが大変だった頃。
だからこそ躍起になって映画を観ていました。
タランティーノ、カウリスマキ、リンクレーター監督との出会い。
昨日の事のよう。笑
蜘蛛女 Romeo is bleeding
1994年アメリカ ピーター・メダック監督
レナ・オリン最高!
この一語に尽きる。
キャラクターが半端じゃない。
ここまで無軌道に立ち回られると、
もう快感でしかなくなる。
恐ろしすぎる、かっこよすぎる。
G・オールド゙マンのダメダメぶりもさすが。
ジュリエット・ルイス、アナベラ・シオラなど、
脇を固める女たちも魅力的。
隠れたクライムサスペンスの傑作。
シリアルママ Serial mom
1994年アメリカ ジョン・ウォーターズ監督
アメリカ・ボルチモア郊外のとある家。
優しいパパ、ふたりの子供たち、
清潔で手入れされた家。
小鳥はさえずり、花は咲き乱れ、
そんな一家を優しく見守るママは
この幸せを守るためならなんだってするのだ。
そう殺人だって。
キャサリン・ターナーの
ダイナマイトボディに裏打された、
迫力の演技がみるものを唖然とさせる。
世の中のモラルをけちらす奴は、許さない。
細部に渡って、アメリカンアンダーグラウンドの
アイテムが顔をのぞかせるのも一興。
アメリカならあり得る、恐ろしい判決と
その後の展開も怖すぎる。
秋に白いパンプスを履くのはやめようと
心に誓った。
パルプフィクション Pulp fiction
1994年 クエンティン・タランティーノ監督
トラボルタ復活の快作。
どのシーンをとってもかっこよすぎる。
3つのエピソードが複雑に絡まりあい交差。
バイオレンスとマフィアは苦手だけど、
全編にあふれるクールな魅力には抗えない。
キャストの豪華さと、音楽とダンス、
そして理解不能な会話の楽しさ。
タランティーノ監督を
一躍時代の寵児とならしめた渾身の一本。
恋人までの距離(ディスタンス) before sunrise
1995年アメリカ リチャード・リンクレイター監督
ジェシーとセリーヌは偶然同じ列車に乗り合わせ、
惹かれあうものを感じる。
思いつくまま途中下車した2人は、
あてどもなく ウィーンの街を歩き、語り、恋に落ちていく。
2人の尽きない話は時には他愛もなく、
時には哲学的でだったり。
移り変わる時間と場所、会話だけで成り立つ恋の物語。
イーサン・ホークとジュリー・デルビー、
こんな2人だったらこんなこともありえる、
と思わせてくれる自然な成り行き。
いつか自分にもこんな恋が訪れるんじゃないかな、
と密かに憧れる自分がいた。
確実に時間は過ぎ、また会う約束をして別れるふたり。
ラスト、切ないけれども潔い別れと共に
ふたりが足を止めた場所が次々と映し出され、
再び旅情があふれだす。
ユージュアル・サスペクツ The usual suspects
1995年アメリカ ブライアン・シンガー監督
麻薬取引をめぐる殺人事件を、
あるひとりの男が語りだす。
折り重なるように描かれる事件のあらまし。
謎の人物「カイザー・ソゼ」。
もうこの名前だけでミステリー度は昇りつめ、
ぞくぞくする展開に胸が高鳴る。
K・スペイシー、G・バーンらの演技巧者が競い合う。
そして驚愕のエンディングに
グレース・オブ・マイハート grace of my heart
1996年アメリカ アリソン・アンダーズ監督
1960年代、
シンガーソングライーターを目指すエドナが、
本当の自分の音楽を得ることが出来るまでの20年間を、
周りの人々との関係を軸に淡々と描き出す。
60年代から70年代後半にかけての
音楽とファッションがぎっしりとつまっている上に、
エルヴィス・コステロ、バート・バカラック、
ジョニ・ミッチェル、デイヴ・スチュワート、
キャロル・ベイヤー・セイガーなど
そうそうたる顔ぶれのオリジナルナンバーも。
M・ディロン、 E・ストルツ、J・タトゥーロが
エドナをとりまく男性たち。
時代の流れと、才能溢れるがゆえに悩み傷つき、
愛に揺れる人生。
キャロル・キングをモデルにしたといわれる作品だが、
演じるイレーナ・ダグラスは独特の風貌と個性で、
全く自分の世界を作り上げている。
浮き雲 Kauas Pilvet Karkaavat
1996年フィンランド アキ・カウリスマキ監督
市電の中でキスをする中年の男と女。
唐突な始まり、
そして物語は淡々とこのふたりの日常を追いつづける。
ふたりの暗い先行きとは裏腹に、
美しく鮮やかな映像が心に刻み付けられる。
まるで感情を表に出さないふたり。
なのに、しっかりとした愛情が漂う。
立て続けに起こる不幸な出来事にも、
相変わらず寡黙にたちむかう。
何もない、何もしない働くだけの生活。
が、愛犬には愛情を注ぎ、
愛犬もそれにこたえてけなげにふるまう。
つつましい生活のつつましい喜び。
それこそが美しく、気高い。
最後に、店に人が集まりはじめ、
安堵したふたりが眺める浮き雲。
私たちの胸にも幸せな微笑が広がる。
ファーゴ fargo
1996年アメリカ ジョエル・コーエン監督

あたり一面雪に覆われた田舎の小さな町。
自己利益のために妻の偽装誘拐を計画した男。
実行を引き受けた小悪党2人組。
簡単に見えた計画が崩壊し、
事態は最悪な方向へと進んで行く。
犯罪者にも、それを追う警官にも日常があり、
それを描くことで殺伐とした凶悪事件に
心地よいリアリティが生まれる。
場面のほとんどが冷たい雪の中なのに、
人間の体温が伝わってくるような気がする。
妊娠中の警察署長を演じ、
アカデミー主演女優賞に輝いた
フランシス・マクドーマンドの抑えた演技の妙。
「変な顔」で悲惨な末路へとひた走る
スティーブ・ブシェーミが本領発揮。
コーエン兄弟の作品の中では、
一見スタンダード感が強い。
田舎の町の普通の人々の間で起こる犯罪が






