35年振りのRELOAD


RELOADという作業をしながら思うこと。


振り返るには時間が必要。

それなりの人生を重ねないと振り返るにも振り返れないよね。


例えば今回のRELOADの歳月と同じ35年前を振り返る。


この振り返りは35歳の人には出来ない。

だって生まれたての赤ちゃんだもの。


でしょ?


じゃ、考えてみよう。

人によって違いはあるだろうけど、


10歳の子が数年前を振り返る。

幼い記憶には限界があるよね。

断片的な振り返り。


20歳の歳で数年前を振り返る。

若さの真っ只中、記憶に固執しない。

振り返るには思いが鮮明で近過ぎる。


30歳で振り返る。

若さということを少し意識する。

1020代って若かったなぁと、まだ若いながら少しだけ振り返りが長くなる。


40歳で振り返る。

わりと今生きることに必死な時期。

この先、年を重ねる人生を意識して、過去の出来事はかなり解離した感覚。


50歳から60歳。

記憶の書き換えが起きる。

思い違いや、遠い若き日々の出来事は他人の人生にすら思える時もある。

古い記憶は消え欠ける部分と、時を経ても鮮やかに思い出せる記憶が混在。そんな中、記憶をわかちあう人が現れるとやけに大切に思えるお年頃。


そして、私は今、35年前を振り返っている。


朧げな記憶の検証には、実は直筆のガイドがある。これが有る無しでは、過去の認識がかなり違う。と、今、あらためて思う。


ガイドというのは、PERSONZINDIES時代に書いていたダイアリー2冊。


1985年から1987年の時期のもの。番外編で89年、90年も追記されてましたけどね。


しかし、今読むと、かなり忘れている記憶の数々...日付や出来事を追えば当時の自分が何をしていたのかわかるけど、まるで自分のような気がしない。


当時26歳か。


PERSONZというバンドもまだ不確かで、この先があるかないかわからない時期で、私もメンバーもデビュー前でまったくプロ意識などない時代。出会ってから23年の4人の関係が大きく変わっていく出来事がたくさん。


その中に、今回RELOADするDEAR FRIENDSMYSTERY HEARTSが出来た時のことや、リハやらライブやらの日々が綴られていて自分でも今の自分にはない初々しさに驚く。


人間関係もまだ複雑で私自身の恋愛や、仕事に対する気持ちの浮き沈みが乱高下しながらそこにはあって、今の自分が俯瞰で見ていると、何やってんの、こんなことで悩むなんてとあきれたり、あぁ、わかるよ、その気持ち、可愛いねとも思う。


これを書いてから、ふと読み返してきた日々。40代、50代ではまたひと味もふた味も違う感触。


書いていてよかったなと思う。


記憶なんて自分の存在がなくなれば消えてしまうけど、確かに、この時代、こんな風に不器用ながら必死に生きてたんだと、まるでドラマや映画を見るようにすっと読めちゃう。


こんなに人にお世話になったのかとか、この人はどこへ行っちゃったんだろうとか、あら、この人とはまだまだご縁が続いてるなぁとか。通り過ぎて行った人も多いけど、未だに縁が絡み合って存在してる人もいる。


人生ってまさにこの繰り返しなんだろうなぁ。


作品をRELOADする。

その時代を思い起こす。


なんでこの歌詞を書いたのか、どんな状況で制作したのかを垣間見る。

聴いていたファンの方々にもきっと同じように、その時代はあったわけで、今RELOADする楽曲を通じて共感できる部分も多々あるに違いない。


35年経って、まだPERSONZが何者でもない未知数で存在していた時代をRELOADする。


ワクワクする。


だって、今だってこの先、未知数だから。

過去の自分たちに、大丈夫、この先、いろいろあっても数十年続いていいバンドになってるよって言ってあげれるよう、頑張ります。


さぁ今日からリハだよ〜💪