飯倉にあるキャンティ。ご縁あって久々に訪れました。地下の店内。不思議な空間感。ここで重なってきた歴史の息吹きがエコーのように詰まっていて、なんだか耳をすませば、たくさんの熱した会話が聞こえてきそうな感覚。
その空間感を紐解きたくキャンティに関する本を即購入。
特に安井かずみさんの本は彼女の作詞タイトルがそれぞれのストーリーになり、聞き慣れた歌詞とリンクしたインタビューから浮かぶ当時の世界が興味深い。
彼女を知るたくさんの方たちの声。共通しているカッコよさ、絵になりすぎるスタイル。若かりし頃の颯爽とした安井かずみさんの一面はイメージ通りだけど、晩年、病の中、闘病と共に浮かんでくる横顔はせつない。
昔、大人ぁ〜というイメージバリバリの森瑤子さんや桐島洋子さんに憧れていた十代が懐かしい。
安井かずみさんは一番ポップな歌謡曲全盛時代の若手作詞家。華やかな時代を駆け抜けて、その後、シンガーソングライターがジワジワと台頭して来る中、夫、加藤和彦さんとの家庭を一番にシフト。ご夫婦のスタイリッシュな生き方をアピールしていく。そんな中、肺がんで余命いちねん。55歳で永眠。
すぐその後に来るインターネット配信や衰退するCD販売の時代を知らずに旅立ったという。
インタビューから見える安井かずみさんの「時代」は仕事第一でバリバリ働き、恋多き日々と錚々たる面々との交友。そしてキャンティでのかたらい。まぁ、キラキラとゴージャス過ぎて...こんな毎日では疲れないわけないと思う生活。
と、思えばPERSONZがデビューし、30代の私は、このスタイルを真似ようとしていたなぁ〜とつくづく思う。もちろん足元にも及ばないプチな規模だけど。
急に回り出した仕事の中、楽しかったけど必死だったし、留まると夢が壊れそうでワーカホリックで毎日が飛ぶように過ぎていった。
時代はバブル期の終焉を迎えて刹那的。その後に安井かずみさんはお亡くなりになった。
今、かの昔、憧れた大人の女性たちの歳をすでに越えてる私。
大人の女性になれてる?
うーん、どーかなぁ。
憧れた彼女たちのようにはなれてない。
ある程度の経験は積んでいるので、そこそこ世界を見回せるようには少しはなってるかもしれないけど、そもそも大人ってなに?みたいな。
実際大人といえる歳になっても心は完璧ではないし、落ち着いた平常心が備わったわけでもないし、自分が憧れた時代の大人の女性とは違ってきてるんだなぁ。
大人の定義は時代時代で変わるってことか...
どちらかといえば今の私は超活性期。
音楽を取り巻く状況に今のところ射す光はないけれど、そんな壁があるから立ち向かうし、ライブは毎回色濃く楽しいものになっていくし、落ち着いてバケーションみたいな感じじゃまったくない。
強いて言えばPERSONZ始めた頃の自分みたい。武器は見つけたぞ、さぁ、どうやって世界を切り開こうかみたいなね。
まだまだ知らないことたくさん。毎日が新しいことを吸収して自分にプラス中。
100歳まで歌うって言ってるんだからねぇ。
でも今回のキャンティのように先人たちが歩んできた息吹きを感じることも必要。
大人の女性が煙草をアンニュイに燻らせていた時代を垣間見る。今とは違うけど、確かなスタイルがあった時代。
あぁ、昔は良かった...ではなく、その世界とは違う新たな大人スタイルを作れたらと思ったり。
知らない人たちがどんどんつながっていく、たくさんの可能性を会話できる、そんな場所や刺激はいつの時代も幾つになっても必要❣️とキャンティを訪れて心から感じました。
素敵なお店、30代の頃、渡邉くんと来店したことあるんだけど緊張してたのかあまり覚えてなくて...
さぁ、時代はこれから❣️ですね。(*☻-☻*)