新国立劇場に原田美枝子さんの舞台を観に行ってきました。私にとっては原田美枝子さんというより美枝子ちゃん!なので、そのまま書かせて頂きますが...







素晴らしい舞台でした。
しかも重い、そして深い。

カミュ「誤解」

とにかく全編、台詞びっしり、流れも早い。理解しようと追っていくと観る側にもおのずと力が入る。

舞台後は身体にすっごく力が入ってたわけで力が抜けてすっごい開放感。2時間の舞台。ノンストップ。

美枝子ちゃん、今日が千秋楽❣️しかし、この舞台を3週間。お稽古も入れたら5週間。スゴイです。ほんとうにほんとうに、お疲れ様でした。

最後の衝撃的なそれまでほとんど喋らなかった老使用人の神の言葉には、驚きながらも不条理ってコレ。なんだかそれまでのすべての深層心理的な台詞がぶっ飛ぶような破壊力だった。

実際、カミュが「誤解」を書いたのは暗鬱な戦争の影響が多々あった時代。

そんな時代背景を考えつつ、あまり縁のなかったカミュの世界に触れることが出来ました。

カーテンコールに応える美枝子ちゃん、大女優の風格。だけどこちら側に迫り来るヒートアップした熱波ではなく、もっとクールな美しさ。

また希林さんのこの言葉を思い浮かべてしまいました。

最近は自分がステージに立つ時もこうありたいと、いつもしばらくこの言葉を復唱します。

美枝子ちゃん、素晴らしい舞台、ありがとう😊
私の中に静かな炎が灯りました。


虚飾なく 

観客に媚びず 

威張らず

もの凄いサーカスを   

あたりまえの感じで

演じてしまう

そこに動く  俳優たちが  馬たちが


何かを観せるのではなく 

その燃やした炎で  

見物人の魂を  鎮めてしまう


美によって神に到達する道が

もっとも望ましい

バルタバスはその道を  

心をこめて歩きつづけている」(樹木希林)