昨日、試写会に伺いました。

「SUKITA」

もうすぐ80歳の写真家、鋤田正義さんのドキュメンタリー映画。

鋤田さんは、1970年代、髪をライオンのように風になびかせたあまりにロックでワイルドなマーク・ボランの写真を撮り、その時にデヴィッド・ボウイを知り、その後、数十年彼を撮る運命となるわけですが、あのHeroesのジャケットや山本寛斎さんの衣装を着たボウイの写真のエピソードが映画には散りばめられていて貴重!

しかも、映画観てたら、あ、このジャケットも!あ、これも!的な感じで名作ジャケットがザクザク。

イギー・ポップ、忌野清志郎、YMO、ミカバンド、シーナ&ロケッツ。知ってる!知ってる!

映画を観終わって、なるほど、すごくシンプルにロックを撮る、ライブを撮るってことってこうだよねって思ったなぁ。

デジタル時代で連写できちゃう今の時代、ついついシャッター切っちゃうみたいな衝動撮影も多々ありますが、鋤田さんのフレームはしっかりと撮りたい被写体を見ている。基本的なことですけどね。

わたし自身、撮られる立場から言えば、ポートレートはカメラマンと向き合う空間が難しいのよね〜とずっと感じてきたし、シャイなハートを持っているとファインダーをただ向けられるだけじゃ萎縮しちゃうしね。モデルさんや俳優さんと違ってポーズなんて出来ないぜーだし。

そう、そうなるとやっぱりロックはライブ!

が、ライブは瞬間瞬間の瞬きの連続。ほんとうは同じ瞬間なんてないのだけど退屈なアングルでは表現に値しない世界になってしまうこともあるもので、ここだ!とシャッターを押されてもひとつ前なんだなぁ〜とか、こちらがここ!と思う世界とズレがあるのは仕方ないことなのだけど、やはり行き着くところはライブは絶対的に目線がお客さんの見てる世界、見たい世界かなぁ。実際ライブを目の前で見てるけど、見れない世界も写して欲しいんですよね、きっと。


鋤田さんの、これも有名な写真過ぎますが渋公でのサポーターいっちょのボウイとお客さんの至近距離の超近い写真なんて、ものすごい臨場感。


音が聴こえてきます。


映画では、その時代と今は違う現代のお客さんとの距離を感じると語る鋤田さんが、私も観に行った布袋くんの代々木第一のライブをレールやクレーンさえも利用して距離を活かして撮ろうとする姿は印象的。

時代を写す。時代が写る。
そう語られていました。

結局、フィルムとかデジタルじゃないんだなぁ。撮る人が何を撮ろうとしているのかを見る側がしっかりと感じられる、伝わる写真。洞察力の瞬間性のリズムかしら。

そして、かつてあった原宿のセントラルアパートのエピソードも出てきますが、まだ私が中学生の頃、背伸びをして行った原宿でとにかく大人のクリエイターさんたちのるつぼ過ぎて、私たちなんぞ絶対入れなかった憧れのセントラルアパートや喫茶店レオン。そこに鋤田さんはいたんですね。

映画を通して伝わってくる鋤田さんは穏やかな口調で優しく、瞳はキラキラ。カメラを握りしめている姿は愛らしく力強い。きっとその姿は少年時代から変わらないのでしょう。

世界のSUKITAのボウイやボランの代表的な写真は完璧に素晴らしいけれど、一番印象的だったのは、福岡で少年時代に撮った笠をかぶったお母さんの写真でした。

すべてはそこから始まったのでしょう。この一瞬しか彼にはなかったであろう、これも完璧なアングルの写真。鋤田さんの愛の原点を感じました。


5月19日から全国ロードショーです。是非!


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試写会後、女子2人でほろ酔いなり。背景のお店の名前インが激しいが....(^^;;

亜紀さん試写会お誘いありがとー!


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夜は冷えるなぁーと、久しぶりにフェイク革ジャン着たら昨日は超暑い。夜も寒くなかったぁ...季節はしっかり変わり行くぅ。



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